<世界大学選手権:日本15-0中国(6回コールド)>◇31日◇予選リーグB組◇神宮

 大学日本代表の4番「ヨシノブ2世」慶大・伊藤隼太外野手(3年=中京大中京)が日本人大会史上初となる2試合連続本塁打を放った。4回2死からバックスクリーンに運び、先制打を含む2安打3打点で17安打の猛攻を引っ張った。先発の明大・野村祐輔投手(3年=広陵)は3回無安打6奪三振。1日の予選リーグ最終戦は、東洋大・藤岡貴裕投手(3年=桐生一)の先発で、宿敵キューバに挑む。

 大学日本代表の新4番、慶大・伊藤のバットが止まらない。4回2死、カウント2-2からバックスクリーンにたたき込んだ。7月30日の韓国との開幕戦では6回に先制2ラン。「バットを一握り短く持って、センター中心に打ち返した」と冷静だ。ベンチに戻ると、早大・斎藤らに手荒い出迎えを受けた。2本塁打はキューバ・セスペデスと並ぶトップタイ。開幕と同時に4番に抜てきされ、チャンスを華々しくつかんだ。

 世界選手権の2試合連続アーチは、日本人史上初の快挙だ。02年の第1回大会以降、阪神鳥谷、横浜村田、巨人長野らもなし得ていない。慶大の左打者で強肩強打の外野手。巨人山下スカウト部長は「慶応だと(高橋)由伸以来の評価になる選手。来年の野手トップクラス。リストが強くてパンチ力がある」と話す。ヤクルト斉藤スカウトは「来年の1位候補。肩もいい」。久しく出ていない、大学生野手の目玉候補になる可能性を持っている。

 176センチ、82キロのがっちりとした体形。今春リーグ戦で11季ぶりの優勝に導き、初の大学日本代表入りをつかんだ。1回2死二塁からは「ホームランよりうれしい」と中前に先制適時打を放った。4回は伊藤の本塁打など、2死からの8連打で7点を奪った。勢いに乗って1日、セスペデスとの直接対決に挑む。【前田祐輔】