今秋ドラフトの目玉で最速157キロ右腕、東海大・菅野(すがの)智之投手(3年=東海大相模)の11年チーム初練習に7日、国内9球団13人のスカウトが集結した。昨年12月に早々と1位指名を表明した巨人は、清武英利球団代表(60)が直々にあいさつ。練習前に山下スカウト部長、長谷川担当スカウトとともに神奈川・平塚市内の合宿所を訪問。菅野は「(1位指名される)そういう選手になりつつあると、慢心ではないがうれしく思う」と素直な思いを口にした。

 最速157キロ右腕、東海大・菅野の始動に、プロ関係者が集結した。セ・リーグ全球団を含む国内9球団13人のスカウトと、巨人清武代表。今秋ドラフトの超目玉とあって、球団数は斎藤佑樹、大石達也、福井優也のドラ1投手3人を擁した昨年の早大に並ぶ多さだ。横井人輝監督(48)は「異例のことかもしれませんが、非常にありがたい。光栄に受け止めている」と評価の高さに感謝した。

 巨人清武代表が大学に年始のあいさつに来るのは、今回が初めてという。菅野は不在だったが同監督、宮崎康文部長、大学の広報担当者と応対。「逸材を競争して獲得するのはプロ球団として当然のこと。巨人軍の思いは揺るがない」と改めて1位指名の意思を伝えた。西武も鈴木編成部長ら3人、オリックスが2人と、複数人態勢で熱意をアピールした。

 菅野は巨人原監督のおいという話題性だけでなく、アマチュアNO・1の剛腕として実力も折り紙付き。昨年のドラフトでは、同じく最速157キロの中大・沢村拓一を巨人が一本釣り。直前で指名を回避した中日は、球団内部から不満の声があがったという。菅野獲得へ、名乗りを上げる球団があるかに注目が集まる。

 いずれの球団も1位候補に挙げているが、指名に踏み切るかどうかは直前に決められるケースが主だ。この日訪れた中日石井スカウトは「おいっ子と言ってもドラフトとは別問題」とその実力を評価。広島苑田スカウト部長も「超目玉。去年でも早大の3人と沢村のSクラスに入った。頭2つくらい抜けてる」と最大限の評価を与えた。10月を待たず、熱いドラフト戦線はすでに始まっている。