巨人は後半戦に入ってから先発投手の早い降板が目立つ。13日の中日戦で山口が投げた6回2/3が最長で、その山口もDeNA戦では5回3失点で降板した。打順の3回り目でバッテリーを組む大城の配球が手詰まりを起こしていた。

同点とされ、なお5回1死一、三塁で4番オースティン。初球、外角を狙ったフォークが内角に抜けてファウルを稼いだ。優位なカウントから意図的に体を動かすような内角への速球で展開したいところだが、4球連続の外角攻め。最後は外角低めの直球を中前に勝ち越し適時打を運ばれた。投げる球がなくて、無難な配球を選択したように見えたが、同点の中盤ならもっと「こう抑えよう」という意思が感じられてもいい。

状況や前の打席をかみ砕いていけば、その場面に至る過程でも疑問が残る。直前の1死一塁で2番森に一、三塁の状況をつくらせたくない。引っ張り型の打者で3回の打席でも低めフォークを一直に捉えられている。半速球となるフォークは引っ張りやすい球種。初球に投じて結果的に甘く入って左中間に適時三塁打を許したが、バッテリーの一、三塁への拡大を防ぐ意識は薄かった。

1死三塁で佐野に対し、DeNAの不安定な救援陣なら勝ち越し点を許しても、まだ反撃のチャンスはある。ベンチは前進守備を指示したが、バッテリーとしては2死を取りに行くことを優先していい状況。だが初球は低めのボール球のスライダーでゴロを打たせようとしていたのに、2球目は犠飛を打たれやすい高めの直球と、ちぐはぐだった。かみ合わない配球で四球となり、走者を増やした。

DeNAの若いバッテリーの方が4番岡本和に対し、初球の入り球を変えるなど、意図を感じさせた。五輪中断期間があったとはいえ、巨人は救援陣への負担を増やさないためにも、大城が先発投手を1イニングでも多く投げさせられるように導きたいところだ。(日刊スポーツ評論家)