10月29日、甲子園の星・秋季号が発売になりました! 

 全国は、秋季大会真っ最中。高校野球界はすでに新しい世代にバトンタッチ。新チームが春のセンバツ出場を目指して熱戦を繰り広げていますが、輝け甲子園の星・秋季号は今年活躍した選手のその後を完全リポート! 10月14日から行われた「長崎がんばらんば国体」に、18Uタイ遠征の密着レポート。そして、ふるさとに帰った球児たちの近況をた~っぷりお届けします!

左奥に見えるのが藻岩山。東海大四の校舎からは札幌が一望できるんです
左奥に見えるのが藻岩山。東海大四の校舎からは札幌が一望できるんです

 「2回戦の山形中央戦でスローボールを投げたときの大歓声は、本当にうれしかった! 甲子園では自分らしさを出せました!」

と、言ってくれたのは東海大四の西嶋亮太君。初戦の九州国際大付戦で甲子園のスピードガンが計測不能なほどの「スローボール」を駆使し、12奪三振を奪い完投勝利(6対1)。

 しかし、その後、このスローカーブをめぐりネット上で論争に。当時は、「スローボールは自分の投球スタイル。気にしていない」と言っていましたが…。

 「確かに気にはしていなかったんですが、2回戦の山形中央戦では投げにくいなぁって思っていたんです」

 両親はもちろん、友達からもメールやツイッタ-で「気にするなよ」と励ましのコメントがたくさん届いたそう。チームメートは冗談で「逆にスローボールをいっぱい投げてやれよ(笑)!」なんて言って、笑い飛ばしてくれました。

 「このスローボールは自分らしさ。自分らしく投げればいい」

そう、自分に言い聞かせて臨んだ2回戦の山形中央戦。0対0で迎えた7回に投げた球はスローボール。スタンドから大きな拍手が沸き起こりました。

(私も記者席で思わず“おぉ~!”って笑顔で叫んでしまいましたよ!)

 「あの拍手はすごかったですね。自分でもビックリして、本当にうれしかったです! あぁ、今まで頑張ってきてよかったなぁって。あらためて思いました」


 西嶋亮太らしさ。それを証明するスローボールを投げるきっかけは、2年秋の北海道大会準決勝、駒大苫小牧にサヨナラ負けを喫したことでした。

 「秋の大会を振り返ったときに、配球がワンパターンだったことに気が付いたんです。スライダーに自信をもっている分、ワンパターンになりがちでした。自分がバッターだったら簡単に攻略できる。1球、違う球を入れればいい。そこで見つけた球がスローボールでした」

 冬、コントロールの精度を高めスローボールの練習に取り組んだ結果、春には投球の幅が広がりました。

 西嶋君は常に、自分をバッターに置き換えて考えます。「こういう配球をされたら嫌だなぁ」と。今、日本球界は160キロ速球の時代になり、選手たちもより速い球を追求しています。バッターも、バッティングマシンをより速く設定したり、マウンドから少し前に設定して、日々速球対策の練習を重ねています。そんな中で、予想もしないスローボール。打者の打ち気を逸らした球に、大会屈指の好打者たちのバットは空を切りました。


 「僕は体が小さいので、無駄なく体を大きく使って強い球を投げるために、一番大事なコントロールを重視して練習してきました」

 このスローボールも、コントロールのよさがあってこそ投げられる球。この夏の甲子園では、2年半、コツコツ積み重ねてきた結果だったんですね。


 「甲子園は、たくさんの人が応援してくれる。あたたかい場所でした!」

 みんなの応援があったから甲子園で投げられた。スローボールが教えてくれた自分らしさと周りの人たちのあたたかさ。西嶋君、これからも自信をもって自分らしく、野球を。そして、人生を歩んでいってね! みんな、応援しています!


 こ~んな感じで、輝け甲子園の星秋季号では、今年、甲子園を沸かせた選手たちが、今だから話せるあんな話、こんな話!? をしてくれました! 素顔盛りだくさんの甲子園の星秋季号は、全国書店で発売中! よろしくお願いします!

甲子園の星2014年秋季号の表紙は、明徳義塾の岸君! さわやか~!
甲子園の星2014年秋季号の表紙は、明徳義塾の岸君! さわやか~!