「平成のKKコンビ」擁する早実の夏が始まる。第97回全国高校野球選手権東・西東京大会の開会式が今日4日、神宮球場で行われる。早実は、ラグビー・ヤマハ発動機の清宮克幸監督(47)の長男で、「和製ベーブ・ルース」の異名を持つスーパールーキー、清宮幸太郎内野手(1年)が、プロ注目の4番加藤雅樹捕手(3年)とともにクリーンアップを組む。高校通算13本塁打に伸ばした「清宮ジュニア」と、同46本塁打の加藤の「59発コンビ」で激戦を戦い抜く。

 「ワセダイヤー」に花を添える。早実が、加藤と清宮の「KKコンビ」を中心に5年ぶりの甲子園出場を狙う。今春の全日本大学選手権では早大が3年ぶりの日本一に輝いた。主将の加藤は「今年はワセダの年。高校野球100周年で、(OBの)王貞治さんが始球式をされる。早実だけ乗り遅れるわけにはいかない」と闘志をみなぎらせた。

 強力打線を支える2人の信頼関係は厚い。入学直後から3番を任される清宮は「自分が打てなくても、加藤さんが打ってくれる。オーラが違います」と尊敬する。1年秋から4番に座る加藤も「甘い球を待って、しっかり打てるようになった」とスーパー1年生の加入を歓迎。互いに重圧を1人で背負い込むことなく、春の都大会4試合すべてで2ケタ得点を奪った。

 清宮にとって最初の夏が、加藤には最後の夏になる。清宮は「楽しみのほうが大きい。試験期間中も、早く試合がしたくて仕方ない」と16日の初戦を待ちわびている。加藤も「日大三の田村(孝之介投手)や、東海大菅生の勝俣を打って、絶対に甲子園に行く」と好投手撃破へ力を込めた。

 PL学園(大阪)の桑田真澄(47=元パイレーツ)、清原和博(47=元オリックス)の「KKコンビ」は、83年夏から5大会連続で甲子園に出場。2度の優勝など数々の伝説を残した。第1回大会にも出場した名門・早実が誇る「平成のKK」が、聖地を目指して激戦区の西東京を勝ち抜く。【鹿野雄太】

 ◆清宮幸太郎(きよみや・こうたろう)1999年(平11)5月25日、東京都生まれ。小学3年で野球を始める。東京北砂リトルに所属した12年のリトルリーグ世界選手権では「4番エース」として5試合で3本塁打を放ち優勝。調布シニアでは一塁手。50メートル走は6秒7。足のサイズ31センチ。家族は両親と弟。184センチ、95キロ。右投げ左打ち。

 ◆加藤雅樹(かとう・まさき)1997年(平9)5月19日、東京・昭島市生まれ。小学2年から昭島リトルイーグルスで野球を始める。中学時代は福生シニアに在籍し、3年時にはシニアリーグ日本代表として、世界大会準優勝。早実では1年春からベンチ入りし、高校通算46本塁打。家族は両親と兄。183センチ、81キロ。右投げ左打ち。