一関学院(岩手3位)は、エース左腕大竹樹希哉(2年)が2日連続の完投勝利。東北(宮城2位)を退け、7年ぶりに4強入りした。

 V候補の福島王者・聖光学院を破った次は、春夏合わせて40回の甲子園出場を誇る名門・東北斬りだ。大竹は「自分がエースなので、いきたかった」と沼田尚志監督(56)に連投を直訴。初回に1点を失っただけで2日連続の完投勝利を収めた。一関学院をセンバツに近づけた。

 スライダーがさえた前日11日の2回戦とは一転、この日は中盤以降、切れのある速球主体で攻めた。盛岡三との県大会2回戦で股関節を痛めて通った整骨院で、肩甲骨の可動域を広げることを勧められてトレーニング。股関節痛の完治とともに投球時のバランスが良くなった。そのため速球は「球の伸びを感じた」と話し、縦と横のスライダーも威力を増した。

 県大会は不安定だったエースに、沼田監督は「制球が乱れなくなって、四球も少なくなった」と驚く。与四球は2試合でわずか2。今大会で大化けしたエースは「まだ通過点」と、4強入りでは満足していない。【久野朗】