2年ぶり5度目出場の聖光学院(福島)が、先発全員安打となる18安打16得点で常総学院(茨城)を圧倒し、初の4強に進出した。「4番投手」で先発した背番号8の二刀流右腕・鈴木駿輔(3年)が打っては3安打2打点、投げては4回2/3を5安打7奪三振3失点と投打に躍動した。

 4番の一打が聖光打線に火をつけた。2回の第1打席でチーム初安打を放つと、1-0の3回2死一、二塁では中越え二塁打で2点を加えた。「内角低めの真っすぐを狙っていた。こっちに来てから、甲子園よりも調子が良かった」。本職のバットで3安打を放ってチームをもり立て、18安打16得点の快勝に導いた。

 投げても、光った。この日最速138キロの直球に時折100キロ台のカーブを織り交ぜ、4回2/3を3失点ながら7奪三振。「国体で投げたかった。背番号は8だけど、マウンドに上がっている方がエースという気持ちで投げた」。今夏の甲子園では「二刀流」でわかせたが、進学が内定している東都2部の青学大では投手を本職にする予定だ。

 準決勝の相手は雨で中止となり1日延び、今日4日の第1試合に行われる東邦(愛知)と広島新庄の勝者と激突する。初の4強進出に斎藤智也監督(53)は「常総には6月の練習試合で4-10で負けていたからね。負けなかったから100点」とご満悦。今夏の甲子園では4度目の挑戦で8強を突破できなかったが、国体では壁を破った。鈴木駿は「別の大会ではあるけど、8強を超えられた。てっぺんとるぞとやってきた」と胸を張った。髪を伸ばして国体に参加するチームが多い中、聖光は丸刈りのまま。本気で国体優勝を狙いにいく。【高橋洋平】