仙台育英(宮城1位)が4年連続のセンバツ出場を狙う八戸学院光星(青森2位)に6-0と圧勝し、2年ぶりの準決勝進出を決めた。先発左腕・長谷川拓帆(2年)が9回4安打8奪三振で完封した。今秋の県大会から6戦連続先発し、39回1失点と抜群の安定感を誇る。明日18日の聖光学院(福島1位)との準決勝を突破して、2年ぶり12度目のセンバツ出場を決める。

 全く点をとられる気がしないぜ! 長谷川の左腕が何度もしなった。この日最速138キロの直球に、9月の光星との練習試合では封印していた沈むスプリットを巧みに織り交ぜ、9回4安打完封だ。「どのバッターにも1発がある。配球が一定にならないように心掛けた。いつも以上に冷静に燃えていた」。独特の言い回しには自信があふれていた。

 新球スプリットが投球の幅を広げた。今春の東北大会後に「真っすぐとカーブだけでは通用しない」と、新たにチェンジアップをマスターした。直球と同じ軌道から125キロ前後で少し沈み「カウントもとれるし、三振もとれるようになった」。大会前には「通常のチェンジアップより球速が速いので」とスプリットに呼び名を変更。大きく曲がる縦のスライダーに新球が加わり、変幻自在の投球が完成した。

 今秋の地区大会は左膝痛で登板を回避したが、秋の県大会から6戦連続先発し、39回1失点。今大会から背負ったエース番号1を完全に自分の背中になじませた。新チームから継投を宣言してきた佐々木順一朗監督(56)も「明日(17日)は休養日だし、今日は代えない方がいいと思った」と信頼を寄せる。

 センバツ当確ランプがともる決勝進出まであと1勝に迫った。長谷川は「まだ2つある。自分ができることをやっていければ」と優勝しか見据えてない。しなる左腕で、2年ぶりの優勝をつかみとる。【高橋洋平】