高校の部は、初出場の福岡大大濠(九州・福岡)が大会完封一番乗りで4強入りした。「捕手歴3カ月」で来秋ドラフト候補に挙がる古賀悠斗捕手(2年)が高校通算41号の先制ソロを放ち、守備では三浦銀二投手(同)を好リード。明徳義塾(四国・高知)に2-0で勝利し、今日14日の準決勝で早実(東京)と激突する。

 3カ月前まで遊撃手だった古賀が、初の神宮でプロ12球団注目の捕手になった。完封一番乗りを引き出したリード、送球、打力とすべてがトップレベル。4回の高校41号先制ソロも見届け、中日中田スカウト部長は「動きがいいし、1つ1つの送球が非常に正確。プロ対象の選手です」と古賀の攻守に目を見張った。

 「監督が自分の能力を見抜いてくださいました」と古賀は言う。入学直後は三塁、前チームでは遊撃。新チームでは肩の強さを買われ、捕手にコンバートされた。「肩の強さは僕の売り。迷いはなかったです」。阪神ドラフト4位の先輩エース浜地真澄(3年)とバッテリーを組んでいた松本敦輝(3年)の助けを得て、新ポジションに取り組んだ。「相手打者の雰囲気、ファウルのスイング、打ったコースと打球方向、あとは表情を意識します」。捕手の心掛けも松本に教えられた。県内屈指の進学校で「得意科目はなくて、苦手な科目は全部です」と成績については苦笑いも、わずかな期間でドラフト候補にのし上がった。

 古賀の攻守にも支えられ、九州大会3試合連続完封のエース三浦は神宮初戦も完封。「チームを勝たせる結果として、最高の結果になりました」(三浦)。今日14日の準決勝は、清宮幸太郎主将(2年)を擁する早実との対決だ。「バットコントロールが良くて手首が柔らかいし、タイミングを取るのがうまい。対戦できることは誇りに思うけど、抑えたい」と古賀。清宮封じの自信を問われた新星捕手は「はい!」と揺るぎない笑顔で応じた。【堀まどか】