日本高野連は25日、大阪市内で理事会を開き、春夏甲子園大会での女子部員の活動について協議した。その結果、甲子園練習に限り、条件付きで来春からの参加を認めることを決めた。

 ヘルメット着用など安全対策を取った上で、外野ノック時のボール渡しやベンチ前でのタイムキーパーなど甲子園の人工芝部分での活動に限定。男子部員と区別がつかなくなる可能性があるためユニホームは着用せず、学校の体操服かジャージーを着る。

 今夏の全国選手権大会の甲子園練習に参加した大分の女子マネジャーが制止された件で一般ファンから批判が相次ぎ、日本高野連は討議を重ねてきた。同高野連の竹中雅彦事務局長(61)は「部員の少ない学校では女子部員が練習で大きな戦力になっている実情を聞き、どういう形でなら関われるかを協議しました」と説明。今後は来年1月予定の春夏甲子園大会の運営委員会で最終的に承認され、センバツの甲子園練習時から実施される見通しだ。

 ◆女子マネジャーの甲子園練習参加が安全確保に条件を付けることで認められたことに、大分高の野球部顧問は「甲子園という場が、(女子)部員にさらなる夢を与える場になるよう対応してくれたことに深く感謝している」とコメントした。

 ◆甲子園と女性 08年センバツの甲子園練習で、華陵(山口)の高松香奈子外野手(当時3年)が、女子部員として史上初めてユニホーム姿で登場。事前に女子は練習に参加できないと確認していたため、ベンチでタイムキーパー役などを務めた。試合ではベンチ入りせず、スタンドで応援した。女子が記録員としてベンチ入りが認められたのは、96年夏の甲子園。同夏は9校の女子マネジャーがベンチ入りした。女性部長として初めてベンチ入りしたのは、95年夏の甲子園での柳川(福岡)の高木功美子さん(当時39歳)だった。