そびえ立つ大スコアボードに、まさかの数字が並んでいた。7回まで智弁学園の安打数は1。得点はすべて0だ。初戦で熊本工に11安打9点と襲いかかった打線が、センバツ2戦目で苦しんだ。

 史上3校目の春連覇を目指したが、1-5の敗戦で8強にも届かなかった。小坂将商監督(39)は「6回(無死一塁)に送れず(併殺で)後手後手になった」と残念がる。初戦を完封勝ちした右腕の松本が、この試合は5回まで1安打無失点だっただけに、先制失敗は響いた。

 智弁学園には8強のカベが存在する。77年の4強を最後にはね返されていたそのカベを昨年は乗り越えた。しかし再びセンバツ2勝目の難しさを痛感。終盤に相手打線につかまった松本は「ここというときに、甘い球がいってしまった。自分に足りない部分も知ることができました」と、甲子園が出した宿題を持ち帰った。