報徳学園(兵庫)が昨夏の甲子園メンバー5人が残る前橋育英(群馬)を破り、ベスト8を決めた。今大会で勇退を決めた永田裕治監督(53)と少しでも長く野球をしたいと、一つになったナインの進撃は止まらない。

 初回に4点を先制すると、エース西垣雅矢投手(3年)が守り抜いた。

 6回表1死から四球で前橋育英・1番丸山和郁投手(3年)が出塁。すかさず永田監督は主将・岡本蒼外野手(3年)を伝令に送った。「1点やっても構わない」。ここから篠原翔太捕手(3年)が二塁を狙った丸山を刺した。次打者を遊ゴロとピンチの芽をつみとった。永田監督は「遅いより早いほうがいい」と絶妙なタイミングで伝令を送っていた。

 8年ぶりのベスト8を決め、今大会2度目の校歌を大きな声で歌った。「生徒たちにただただ感謝です。甲子園に来て一回りも二回りも大きくなった」と成長中の教え子達に目を細めていた。