昨秋Vの第1シード日本文理は1-7の劣勢から逆転勝ち。5回2死二、三塁から救援した左腕・新谷晴(はると)投手(2年)が4回1/3を1失点、8三振を奪って新発田農の勢いを止め、10-7と苦しみながらも初戦を突破した。

 日本文理の大井道夫監督(75)がぼやいた。「ちょっとひどすぎる。初戦がこんな試合では先が思いやられる」。しかし、これが日本文理の底力。6点差を、あっさり覆した。救援の新谷の熱投が、味方打線の爆発を呼び込んだ。1-4の5回2死二、三塁に急きょ救援。投球練習不足で代わりばなの駒沢俊平に死球を与え、満塁からは高橋洋平(3年)に中前安打。前進する長谷川大中堅手(3年)が転倒して走者3人が生還したが、崩れなかった。「流れを変えなければ、と思った」。7回1死からは5連続三振の快投だった。

 昨秋の北信越大会で背番号1だった西村勇輝(3年)と最速148キロの剛腕・鈴木裕太(2年)がともに肘痛でベンチから外れた。大井監督は「西村は投球を始めた。北信越までに目安はつく。鈴木も医師の診断は異常なし。100%痛みが取れて、夏に間に合えばいい」と言う。2本柱が不在の中で2年生左腕がアピールした。