万波 入って良かった。前の試合で大事な場面で打てたので、気持ちの面で焦らずに打つことができた。

 不調だった万波は、4回戦で逆転の2点三塁打を放ち完全復活。通算22号は、相手の勝機を奪うダメ押しの3ランとなった。昨夏、松陽との3回戦で横浜スタジアムの電光掲示板を直撃する衝撃の公式戦初本塁打を放った。その破壊力は、高校通算106発の早実(西東京)清宮幸太郎内野手(3年)にも引けを取らない。

 好球必打の増田は、清宮とSNSを通じてやり取りする仲だ。「清宮は少ないチャンスをモノにしている。自分も1発で仕留められるようにしたい」とミスショットをなくすため、金属バットより芯の狭い木製バットで練習を積んだ。5回戦前日には、同部屋の奥村京平投手(3年)から「打席で目線がぶれている」と指摘を受け「重心を低くすることを意識できた。感謝です」。ライバルの存在と仲間のアドバイスが貴重な1発を生んだ。

 長崎に住む母美穂さんは、3月から神奈川の親戚宅に世話になり、1人息子の試合に駆け付けている。増田は「ありがたいです。神奈川を一戦必勝で戦って、甲子園で清宮と戦いたいです」と言った。準々決勝から乗り込む横浜スタジアムは、増田も通算4発と相性がいい。2季連続の甲子園まであと3勝だ。【和田美保】

 ▼横浜は今大会4試合で早くも7本塁打(長南3、小泉、福永、増田、万波)。大会記録のチーム14本塁打をマークした昨夏の5回戦終了時(6本)を上回るペースで量産している。増田と万波は昨夏3回戦の松陽戦でもアベックアーチ。当時1年生の万波が放った1発は、横浜スタジアムのスコアボード下を直撃する推定135メートル弾だった。