“最強タッグ”の結成だ。8月30日から9月8日まで、韓国・機張(キジャン)で開催される「第29回WBSC U18ベースボールワールドカップ」の高校日本代表に、大船渡(岩手)・佐々木朗希投手(3年)と星稜(石川)・奥川恭伸投手(3年)の両右腕が選ばれることが19日、分かった。

最速163キロの佐々木と、今夏甲子園を沸かす奥川の両輪で世界一を目指す。代表20選手は、20日の甲子園大会準決勝終了後に発表される。

   ◇   ◇   ◇

侍ジャパンU18に、佐々木と奥川が入る。佐々木は、岩手大会決勝(対花巻東)に登板せず、敗退で甲子園出場を逃した。大会を勝ち進む中で右肘に違和感を覚え、コンディションを考慮した国保監督が登板回避を決断。日本高野連関係者は「(佐々木は)外せないでしょう。(コンディションについて)確認は取りました」と明かした。既に回復し、プレーに支障がないと判断。選出が決まった。

奥川は、甲子園でも快投を続けている。17日の智弁和歌山との3回戦では、延長14回、165球、23奪三振、1失点完投の離れ業。20日には中京学院大中京(岐阜)との準決勝が控えており、悲願の初優勝へ残り2勝まで来た。大会NO・1投手として、同じく代表入りする。

甲子園を視察したプロ12球団のスカウト陣からは、今秋ドラフト最上位候補として、佐々木と奥川の2人を推す声が大半だった。最速163キロのスケール感を誇る佐々木に、現時点で完成度トップの奥川。両右腕が、代表投手陣で両輪となるのは間違いない。日本はU18ワールドカップでは、いまだ優勝なし。“最強タッグ”が初優勝へ向けた原動力となる。

2人は今年4月に行われた代表1次候補合宿にも参加。3日間をともに過ごした。甲子園未経験の佐々木が「テレビでしか見たことない人がいっぱいで。オーラがすごい」と刺激を受ければ、奥川は、佐々木について「天才。いつか世界を引っ張っていくような。高校生のうちに170キロに到達するんじゃないかと本気で思います」と熱く語った。互いに力を認め合った仲だ。また、最速154キロ右腕の創志学園(岡山)・西純矢投手(3年)も代表入り。強力な布陣で世界へ挑む。