平塚学園(神奈川)の投手陣が「山本由伸流」で、大台到達を狙っている。

神奈川・大磯町の同校グラウンドで冬合宿中の27日、実戦形式の練習を行った。投手陣の力強い直球が目立ち、3月のシーズン明けへの期待を感じさせた。

12月から、本格的に「ジャベリックスロー」を導入した。今季パ・リーグの最優秀防御率のタイトルを獲得したオリックス山本由伸投手(21)が実践し、いま高校球界の指導現場でも話題になっている「やり投げトレーニング」だ。

投てき部門で強さを見せる同校陸上部指導陣のアドバイスも受け、キャッチボール前にジャベリック(やり状の小型投てき物)を投げている。八木崇文監督(40)は「やり投げの投げ方で胸郭が使えるようになって、腕がしなるし、腕のスイング幅も広がってくる」と狙いを話す。

最速139キロ右腕の松村智昌投手(2年)も「反りながら上に投げるので、投球フォームでも上体が前に突っ込まないようになりました。投手陣みんなでフォームを意識できるようになっています」とさっそく効果を感じているようだ。

98年夏の初出場以来、甲子園から遠ざかっている。就任12年目の八木監督は「最近はもう、上位校は140キロの投手がいることが当たり前になってきている。ベンチ入り投手が全員150キロを投げられるようになるくらいのつもりでいきたい」と意気込んでいた。【金子真仁】