昨夏、西東京大会4強の早大学院が、投の先発ツインタワーを軸に今年も快進撃を狙う。エースの小野央也(ひろや、3年)は185センチ、2番手の田中健吾(2年)も182センチと、ともに長身。小野が「自分がマウンドを降りることがないよう責任感を持つ」と言えば、田中も「1回負けたら終わりだから、期するものがある」と気合を入れた。

 小野は最速130キロの直球を、それ以上の速さに見せる投球術が武器だ。右のオーバーハンドで、3メートル近い高さから打者の膝元へ投げ下ろすボールは脅威。19日に行われた日米親善野球のメンバーに選ばれ、吉永健太朗(日大三)、吉本祥二(足立学園)らプロ注目の投手を目の当たりにした。「周りはすごい人ばかりだった。そういう人と争ってみたい」と意識が向上した。

 小野が右の本格派なら、田中は左の変則投手だ。スリークオーター気味に繰り出されるボールは、出どころが分かりづらく、打者の打ち損じを誘う。4種類の変化球を駆使し、タイミングを取らせず打ち取るのが得意だ。初めてベンチ入りした昨夏は、大会終盤に肩を壊して投げられなかった。「みんなに迷惑をかけたので、今年はしっかり調整して臨みたい」とリベンジに燃えている。

 まず関門は3回戦だ。過去20年以上、定期戦で勝っていない明大中野八王子と、お互いに勝ち進めば激突する。木田茂監督(54)は練習後、「お前たちなら勝てない相手ではない」とゲキを飛ばした。天敵を突破して勢いに乗ったとき、2年連続の4強と初の甲子園が見えてくる。