<2012センバツ21世紀枠推薦校>

 12月15日に北海道を加えた全国9地区の計9校に絞られ、来年1月27日に行われる選考委員界で出場3校が決まる。

 【青森=大湊】むつ市にある連係型中高一貫県立校。気象条件の厳しい下北半島に位置しながら、県大会ではベスト8以上の常連校。今秋青森大会で準優勝、東北大会は初戦で東海大山形に2-15で大敗。春夏ともに甲子園出場なし。

 【秋田=秋田中央】秋田市立から82年に県に移管され現校名に。今秋秋田大会3位、東北大会は初戦敗退も、好投手、好打者がそろっていることや、高校周辺の除雪ボランティアなどを評価。秋田市立時代に夏の甲子園に4回出場し68年に8強

 【岩手=盛岡三】県立進学校。今秋岩手大会で3位となり40年ぶりに秋季東北大会に出場(初戦敗退)。今夏県大会でも準優勝するなど実力を備え、文武両道を実践している点などが評価。プロレスラーで元岩手県議のザ・グレート・サスケはOB。甲子園には夏2度出場。

 【宮城=石巻工】県立校。東日本大震災の津波でグラウンドや校舎が被災し、自宅が全壊した選手もいるなか、厳しい環境で練習。9月の台風15号でも地盤沈下したグラウンドが水没したが、秋季宮城大会で準優勝、東北大会初出場(初戦敗退)。この間、地域でのボランティア活動にも取り組んできた。春夏ともに甲子園出場なし。

 【山形=米沢興譲館】1618年に直江兼続が設立した禅林文庫が前身の県立校。今秋山形大会でベスト8。県内有数の進学校で文武両道を実践、除雪ボランティアなど地域への貢献などが評価された。春夏ともに甲子園出場なし。通算221勝を挙げ殿堂入りも果たした元南海の皆川睦雄氏(故人)はOB。

 【福島=小高工】南相馬市にある県立校。原発事故で学校が警戒区域内となり、サテライト校に部員が分散するなど厳しい状況が続く中、今夏福島大会でベスト4、秋季福島大会ベスト8と好成績を残したことが評価された。春夏ともに甲子園出場なし。

 【群馬=高崎】県立男子校。福田、中曽根元首相らを輩出した県内有数の進学校。今秋の県大会で準優勝し関東大会でも31年ぶりに4強入り。野球の技術面のほか、礼儀やあいさつ、マナー、地域からの信望が厚いこと、練習を自分たちで考え行っていることが評価された。81年センバツ出場(初戦敗退)

 【栃木=宇都宮北】県立進学校。今秋栃木大会で8強。春夏ともに甲子園出場なし。

 【茨城=水海道一】常総市にある単位制の県立進学校。今秋茨城大会で15年ぶりにベスト8入り。学校創立、野球部創部ともに111年の伝統校だが春夏ともに甲子園出場なし。

 【千葉=千葉英和】八千代市にある私立校。秋季千葉大会で優勝。関東大会で1勝し8強入りした実績が評価された。鮮やかな黄色のユニホーム。春夏ともに甲子園出場なし。

 【埼玉=昌平】埼玉県北葛飾郡杉戸町にある私立校。79年東和大昌平として創立。秋季県大会でベスト8入り。左腕・広橋投手を中心に6試合を2失点に抑えた。専用グランドを持たず隣町の公共施設を借りながら練習していることや、学校の方針で朝練習を行っていない中で、毎年好チームを育成していることが評価された。春夏ともに甲子園出場なし。

 【東京=駿台学園】北区王子にある私立校。秋季都大会ベスト4。野球部は今年で創部55周年。 同校は1932年創立。秋季都大会では制球の良い右腕・北川平投手を柱に投打がかみ合い、初のベスト4進出。準決勝の帝京戦では1-6と善戦。08年に就任した三角監督は90年に伊奈学園総合(埼玉)でセンバツ出場、その後は母校・東大の監督も務めた。春夏ともに甲子園出場なし。

 【神奈川=湘南学院】横須賀市にある私立校。旧湘南女子が00年に共学化して現校名に。今秋神奈川大会で8強入り。東日本大震災の復興チャリティーイベントを手伝ったり、神奈川大会やアジアAAA選手権の運営に協力したりしたことが評価された。 春夏ともに甲子園出場なし

 【山梨=甲府西】県立進学校。今秋山梨大会で準優勝し関東大会初出場(初戦敗退)。75年創部。部員数が少数15人ながら1人最低2ポジションをこなすなどの工夫をしている、進学校で勉強と両立させながら野球に励んでいるなど。春夏ともに甲子園出場なし。

 【長野=小諸商】県立。23人で臨んだ今秋長野大会で公立では最高の8強。夏は47年ぶりにベスト4進出。清掃など地域のボランティア活動に参加、創部91年の伝統を持ち文武両道を実践などが推薦理由。春夏ともに甲子園出場経験なし。

 【新潟=高田】上越市にある県立進学校。今秋新潟大会ベスト4。文武両道を実践、他部と共用の狭いグラウンドで工夫しながら練習に取り組み、近年顕著な実績を挙げていることなどが推薦理由。春夏ともに甲子園出場なし。

 【石川=金沢西】74年創部の県立校。今秋石川大会で優勝するなど、ここ3年間の県内公式戦で7割超の勝率を誇る。北信越大会では初戦を突破し8強入りした。春夏ともに甲子園出場経験なし。

 【富山=伏木】高岡市にある1927年創立の県立校。部員11人で臨んだ今秋富山大会で準々決勝進出。校内でのホームルームやボランティア活動の中心となっているほか、勉強と部活動を両立させて他の生徒の模範となっている点など。春夏ともに甲子園出場なし。

 【福井=美方(みかた)】三方上中郡若狭町にある県立校。秋季福井大会ベスト8。立地条件や19人の少人数チームという恵まれない環境ながら、投手を中心とした高いチーム力が評価された。定期的に校舎周辺を清掃したり降雪時に最寄り駅の雪かきをするなど、地域や学校に良い影響を与えている点も推薦理由。71年夏の甲子園に出場し1勝。

 【静岡=伊東商】県立校。伊豆半島唯一の単独商業高校で、1、2年生部員が17人と少人数であることなどの制約を克服し、秋季静岡大会でベスト8入りしたことや、来年度創立50周年を迎えることが推薦理由に挙げられた。増井監督は日本ハム増井投手の弟。 春夏ともに甲子園出場なし。

 【愛知=愛産大工】名古屋市にある私立校で今年創立50周年。県高野連によると、9月の台風15号で河川敷にあるグラウンドが冠水し一時使用不能となったが、秋季愛知大会で4強入りを果たしたことなどが評価された。春夏ともに甲子園出場なし。

 【岐阜=大垣西】県立校。秋季岐阜大会で4強入り。準決勝で県岐阜商に1-2で敗れたが互角の戦い。3位決定戦に敗れ東海大会出場はならなかったが、投手力と守備力が安定しており、失点が少ない点が評価。プロレスラーの棚橋弘至はOB。春夏ともに甲子園出場なし。

 【三重=津商】県立校。今秋三重大会でベスト8。女子バレー部は強豪でビーチバレーで活躍する浅尾美和はOG。春夏ともに甲子園出場なし。

 【滋賀=石山】大津市にある県立校。秋季滋賀大会3位。近畿大会は初戦敗退。文部両道を実践。グラウンドそばを名神高速道路が通り、ネットを越えて打球が飛ばないよう普段の打撃練習から工夫して取り組んでいることなど評価。94年春甲子園出場(初戦敗退)。

 【京都=立命館】京都市伏見区にある私立校。今秋京都大会で準優勝し、他校や地域住民に良い影響を与えたことを評価。近畿大会は初戦敗退。甲子園は夏3回、春4回出場し23、55年夏に4強。

 【大阪=大商大堺】私立。秋季大阪大会8強。優勝した大阪桐蔭に0-3で惜敗も、上位3校に引けをとらない実力。年数回、地域での清掃活動や防犯活動での協力を続けていることも推薦理由。ジミー大西はOB。春夏ともに甲子園出場なし。

 【兵庫=洲本】淡路島にある県立校。今秋兵庫大会で公立として唯一の4強入り。過去3年の県大会での好成績、東日本大震災の支援活動に加わった点など評価。甲子園には春2回、夏1回出場し53年春全国制覇。作詞家の阿久悠氏(故人)はOB。

 【奈良=一条】奈良市にある市立校。秋季県大会県ベスト4。学業と部活動の両立、他の部活動とのグラウンド共用で工夫を凝らしていることや、地域のボランティア活動に積極的に参加など。71年センバツ出場(初戦敗退)。

 【和歌山=那賀】岩出市にある県立校。昨年に続く推薦。今秋和歌山大会で優勝し近畿大会初出場(初戦敗退)。地元出身の選手だけで実力を上げたことなどが推薦理由。OBに元西武の横田久則投手。春夏ともに甲子園出場なし。

 【岡山=金光学園】浅口市金光町にある中高一貫の私立校。今秋岡山大会ベスト4、今夏は準優勝。今回が2回目の推薦。マナーが良く、毎週1回、校内や周辺の清掃活動もしている。春夏ともに甲子園出場なし。

 【鳥取=鳥取中央育英】03年創立の県立校。廃校となった由良育英と赤碕が統合。3年連続の推薦。今秋鳥取大会では2年連続の優勝。中国大会は初戦敗退。学校の統廃合を経験しながら地域に根ざして頑張って活動しているなどが推薦理由。春夏ともに甲子園出場なし。

 【島根=大社】出雲市にある県立進学校。今秋島根大会で優勝。中国大会4強。文武両道を実践し、05年以降、夏の島根大会で3度決勝に進出した実績など評価。卒業生に歌手竹内まりや、女優江角マキコら。甲子園には春夏合わせ10回出場。

 【広島=広島観音】広島市西区にある県立校。旧制広島二中。今秋広島大会3位。近年の好成績のほか、他部と共用でグラウンドを使用、近隣に民家があるためフルスイングを控えるなどの条件下で工夫しながら練習していることなど。52年センバツ出場(初戦敗退)。

 【山口=下松】県立進学校。今秋山口大会でベスト8入り。2年生10人、1年生5人と部員が少ないにもかかわらず、秋季県予選でベスト8の成績を残したほか、年末年始の神社清掃などの地域貢献が評価された。春夏ともに甲子園出場なし。

 【徳島=徳島科学技術】09年に徳島工、徳島東工、徳島水産が統合してできた県立校。9月の台風の影響で練習グラウンドが水没し、厳しい練習環境となったにもかかわらず、秋季県大会でベスト8入り。春夏ともに甲子園出場なし。

 【香川=小豆島】小豆島にある普通科のみの県立校。部員12人と少ないが、離島のハンディを克服して今秋の県大会ではベスト8。優勝した高松商を相手に3-4と互角に戦ったことが評価された。 春夏ともに甲子園出場なし。

 【愛媛=小松】西条市にある県立校。今秋愛媛大会で優勝し四国大会初出場(初戦敗退)。学校が台風12号の被害がありながらも好成績を収め、他部活の励みになったことなど評価。歌手秋川雅史はOB。春夏ともに甲子園出場なし。

 【高知=土佐】高知市にある中高一貫の私立校。2年連続の推薦。秋季高知大会ベスト4。学業と部活動を両立、常に全力疾走の姿勢を貫いている。春夏合わせ甲子園に10回出場し準優勝2度も93年のセンバツ出場以降は甲子園から遠ざかっている。

 【福岡=育徳館】京都郡みやこ町にある県立校。1758年に小倉藩の藩校として開校された伝統校。今秋福岡大会で4強入りした実力。文武両道や、部員のマナーが良い点などが評価された。 春夏ともに甲子園出場経験なし。

 【佐賀=鹿島実】鹿島市にある県立校。今秋の県大会でベスト8。学校付近の掃除などボランティアなど学校生活でのマナーや野球に取り組む姿勢を評価。春夏ともに甲子園出場なし。

 【長崎=小浜】雲仙市小浜町にある県立校。部員14人で出場した秋季長崎大会でベスト8。準々決勝で昨年選抜出場校の波佐見に2-3と善戦したことや、すがすがしいプレー、マナーの良さが高く評価された。88年夏の甲子園に出場(初戦敗退)。

 【大分=大分豊府】中高一貫の県立進学校。02年以来2回目の推薦。今年5回あった県大会のうち、4大会で8強入り。進学校で練習時間は平日の2時間と限られていながら安定した成績を残してきたことが評価された。春夏ともに甲子園出場経験なし。

 【熊本=球磨工】人吉市にある県立校。今秋熊本大会でベスト4。準決勝で九州学院に敗れたが、大坂間悠投手を中心に善戦。また生徒会役員や学級委員を担う部員が多く、日常生活でリーダーシップを発揮している点も高く評価された。春夏ともに甲子園出場経験なし。

 【宮崎西=宮崎】中高一貫の県立進学校。今秋宮崎大会で準優勝。初出場の九州大会では8強入りを果たす。グラウンドが狭く、施設面では恵まれず、平日は1時間40分ほどの練習しかできない中、工夫して練習していることなどが評価された。春夏ともに甲子園出場経験なし。

 【鹿児島=松陽】鹿児島市にある県立校。今秋鹿児島大会で初のベスト4。5コースある普通科のほかに音楽科と美術科があり、それぞれ勉強との両立を目指していることを推薦理由に挙げた。春夏ともに甲子園出場経験なし。

 【沖縄=知念】島尻郡与那原町にある県立校。今秋沖縄大会準優勝。九州大会は初戦敗退。春夏ともに甲子園出場経験なし。