<高校野球春季関東大会:水戸葵陵9-1東海大浦安>◇14日◇1回戦◇市原市臨海球場

 7年ぶり2度目の出場の水戸葵陵(茨城2位)が、主砲の活躍で「関東初勝利」をもぎ取った。4番鈴木塁外野手(3年)が、高校通算35号2ランを含む3安打6打点の固め打ち。東海大浦安(千葉4位)に8回コールド勝ちした。

 鈴木塁のバットが火を噴いた。まずは1回、2死二塁で低めの変化球をとらえると、中前に落として先制。5回には、相手投手が交代した直後の無死満塁。低めのカーブを左前に転がす二塁打で走者を一掃した。そして極め付きは8回2死三塁。直球を引っ張り、左翼席へ通算35号となる2ランをぶち込んだ。

 6打点を挙げ、三塁打が出ればサイクル安打の活躍ぶり。「うまく出ましたね。試合前から先取点取ろうぜって話してましたし」と興奮を隠せない。春季茨城大会では変化球に対応できず、打率は2割2厘。「得意な真っすぐしか練習してこなかったからだ」と甘さを反省した。苦手な変化球対策を重ね、その結果を見事に体現した。

 塁(るい)という珍しい名前は、野球好きの両親がつけてくれた。「今はけっこう気に入ってます」と白い歯を見せる。

 チームはコールド勝ちで関東初勝利。今日15日の2回戦ではセンバツ4強の日大三と対戦する。ドラフト候補のエース吉永健太朗投手(3年)について「対戦したかった。落ちる球がすごいと聞いていますが、しっかりプレーしたい」と表情を引き締めた。吉永の決め球シンカーも、自慢の強打で打ち崩すつもりだ。【鎌田良美】