<高校野球春季関東大会:専大松戸5-1前橋商>◇15日◇2回戦◇袖ケ浦市営球場

 プロ注目の専大松戸(千葉)・上沢(うわさわ)直之投手(3年)が、関東デビュー戦を完投勝利で飾った。前橋商(群馬)を相手に6回まで1安打無失点と好投。7回に1点を許したが、被安打3、8奪三振で完投勝ちし、同校に大会初勝利をもたらした。センバツ優勝の東海大相模(神奈川)は甲府工(山梨)に逆転負け。同ベスト4の日大三(東京)は完封発進するなど、推薦出場組は明暗を分けた。東海大甲府(山梨)なども勝ち、8強がそろった。

 12球団スカウトが見守る中、専大松戸・上沢の右腕がしなった。2回から3回にかけ、4者連続三振含む計8奪三振。187センチの長身から振り下ろす直球は141キロを記録した。自己最速は145キロ。上沢は「調子がいまひとつで、真っすぐが走っていなかった。それで変化球を多くし、打たせて取ろうとした」と振り返る。尊敬する郷土の先輩・ロッテ唐川にそっくりなフォームから、スライダーや縦に落ちるカーブ、フォークボールを駆使し、1失点でしのぎ切った。

 前常総学院監督の持丸修一監督(63)が就任して4年目。専大松戸は1期生に近い上沢らの成長とともに上昇を続けた。昨年は夏秋とも県ベスト4に進出。今春は準優勝で12年ぶりの関東大会出場。過去は2度とも初戦敗退だったが、成長右腕のおかげで初の関東勝利をものにした。今日16日の準々決勝では常総学院と対戦する。持丸監督は143球を投げている上沢の連投は回避したい意向だが、本人は「(持丸)監督さんが前にいらした名門校でしょう。いいところを見せたい」と意欲的だった。【佐々木紘一】