<センバツ高校野球:敦賀気比11-2沖縄尚学>◇22日◇1回戦

 快記録とともにセンバツが幕を開けた。08年優勝の沖縄尚学(沖縄)との開幕戦に登場した敦賀気比(福井)が16安打11得点で大勝。打線を引っ張ったのは5番浅井洸耶(ひろや)内野手(2年)だ。「人生でも初めて」と興奮気味に振り返る5打数5安打2打点の大当たり。開幕戦での5安打は24年ぶり史上3人目。「憧れの舞台で打てたことがうれしい」と笑いが止まらなかった。

 初回、2点先制後の1死一塁から右翼線へ二塁打。開会式直後の緊張から解き放たれた。「いけると思った」と手応えをつかむと、左、中堅ときれいに単打を打ち分けた。5安打目の8回2死満塁は、投手強襲の2点適時打だった。「最後のタイムリーはいい当たりでした」と自画自賛した。

 甲子園に出場を目指すため、故郷大阪を離れ、福井へ。普段から150キロの打撃マシンを使用して40スイングするのが日課。「レフト方向へホームランを打てるスイングをしたい」という思いから続けてきた。自身もチームも最高のスタートを切り「この勢いで優勝したい」と力強い。東哲平監督(32)は「実戦形式を多くやってきたことが実った」と大勝発進に満足顔だった。【中牟田康】

 ▼敦賀気比・浅井が開幕戦で5安打を放った。開幕早々いきなり5本の固め打ちは珍しく、センバツでは28年石川鑑作(静岡中)89年山村武(日高)に次いで24年ぶり3人目。夏の大会でも4人しかいない。

 11年畔上翔(日大三、現法大)ら4人が記録した個人1試合最多安打の6本には届かなかったが、福井県勢の1試合5安打は開幕戦に限らず春夏を通じて史上初(過去最多は4安打が11人)。浅井の連続打数安打は続いている。2回戦の京都翔英戦では、11年高城俊人(九州国際大付、現DeNA)ら5人がマークした8打数連続安打の大会記録に挑む。【織田健途】