<東京国体高校野球:大阪桐蔭4-1常葉学園菊川>◇2日◇2回戦◇八王子市民

 常葉学園菊川(静岡)は大阪桐蔭に、逆転負けした。2回表に今坂僚介二塁手の犠飛で先制。5回に先発の堀田竜也が同点本塁打を浴び、8回には2番手の渡辺竜正が連打を浴び3失点した。3年生にとって最後の公式戦となったが、選手の顔には充実感が浮かんだ。

 今坂がチーム唯一の得点をあげた。4番の大西優輝が三塁打で出塁すると、今坂は中堅へ打ち上げた。「来たボールをしっかり打とうと思っていた」と振り返った。春のセンバツはスタメンも夏は後輩の桑原樹(2年)にポジションを奪われた。その悔しさを練習にぶつけてきた。「チームの内野陣で自分が一番下手だといわれていたし、自分もそう思っていたのでしっかりやろうと思っていた」。体勢が崩れながらも捕球し、アウトにする場面もあった。

 5年ぶりの春夏連続甲子園に国体出場と、常葉菊川にとって実りの1年だった。森下知幸監督は「5年ぶりの甲子園だったけど、4年間は長かった。自信を失いかけていた。低迷していたのを引き上げてくれた」と3年生の活躍に感謝した。春季東海大会も3年生のみで優勝。結束力の強さが、昨秋の地区予選を勝ち抜けなかったチームを甲子園まで導いた。今坂の言葉がすべてを表している。

 「仲が良くて、絆が結果につながったと思います」

 常葉菊川の3年生は胸を張って球場をあとにした。【加納慎也】