<高校野球春季岩手大会:盛岡三4-3一関学院>◇28日◇3位決定戦◇一関運動公園野球場

 盛岡三の小原和樹内野手(2年)が5回の先頭で変化球を捉え、準決勝の花巻東戦に続き2日連続のソロアーチをかけた。「狙っていなかった」と打球を見ずにとりあえずダッシュ。一塁をまわったところでスタンドインに気付きホームを踏むと思わず雄たけびをあげた。

 父誠さんは盛岡三の保健体育の教師。兄の大樹(慶大2年)は、花巻東高時に甲子園に2度出場し、東京6大学でも活躍する左腕と、スポーツ一家に育った。小、中学は3つ上の兄と同じシニアチームに所属し、高校進学時には兄から「本気で野球をやりたいなら私立に行け」と助言を受けた。それでも「私立ばかりが甲子園に行くのが悔しくて」。あえて公立から甲子園を目指すことを選んだ。“打倒私立”の気持ちが強いためか、入学して間もない昨春にも花巻東からホームランを打った。柴田監督は「強豪校だとアドレナリンが出るんですかね」と笑う。

 通算23本塁打の強打者。守備も軽やかで運動能力の高さを感じさせる。目指すは公立からの高卒プロだ。まだ2年生の小原は「あきらめません。オリジナルの選手を目指します」と目を輝かせた。【高場泉穂】

 ◆小原和樹(おばら・かずき)1997年(平9)7月23日、岩手県滝沢市生まれ。滝沢東小1年で野球を始める。滝沢二中では盛岡北リトルシニアに所属し、内野手。盛岡三で1年春から外野手でレギュラー。同秋から内野手。176センチ、70キロ。右投げ右打ち。家族は両親、兄、弟。血液型A。