<U18アジア選手権:韓国2-1日本>◇6日◇決勝◇タイ・バンコク

 日本が韓国に敗れ、11年に続く2大会連続優勝を逃した。富山商(富山)の左腕、森田駿哉投手(3年)が今大会初先発で好投したが、3回、4回に失策から無安打で2点を失った。大幅に組み替えた打線は“韓国高校NO・1”の呼び声が高い188センチ右腕、厳相伯投手(17)を攻略できず、7回に1点を返すのがやっと。投手陣を援護できず、悔しい銀メダルとなった。

 1点が遠かった。日本の最後の打者となった香月は遊ゴロに倒れると、クイーン・シリキット球場の赤土の上でしばらく身動きが取れなかった。あと1歩のところで連覇を逃した。

 前日の台湾戦で失策した遊撃手の安田らを先発から外し、高橋広監督(59)は「(調子が)いい子を優先で使った」と先発メンバーを大幅に変更。しかし、その勝負手が裏目に出た。

 3回1死から、初先発の吉田が失策。盗塁と犠打で三塁に進められると、再び吉田が遊ゴロをファンブルし、適時失策。吉田は「硬くなってしまいました。(失策した)2つとも普通の打球でした」と、肩を落とした。吉田と交代して入った安田も4回のピンチで遊ゴロを捕球できず追加点を与えた。安田は「1つずつ(アウトを)取りにいけば良かった」と唇をかんだ。

 先発した森田は最速142キロ直球とスライダーを武器に8回1/3を2安打7奪三振、自責0と好投した。「絶対に勝ってやろうと思っていたので、悔しいです」と粘投実らず肩を落とした。高橋監督は「投手は5試合で自責点0。選手はよく頑張りました。敗戦は全て私の責任です」とねぎらいながら、悔しさをにじませた。

 打線も韓国プロ野球の「KT」に入団が決まっている制球力抜群の厳投手を攻略できなかった。8回にはスクイズを失敗し、同点の好機を逃した。攻守がかみ合わず、「ニッポン!」の太鼓の音だけが球場にむなしく響いた。【和田美保】