<高校野球秋季山形大会:山形城北3-1酒田南>◇22日◇2回戦◇荘銀・日新スタジアム

 山形城北が夏準優勝の酒田南を逆転で下し8強に進出した。1年生の左腕エース鈴木琢磨が4安打8奪三振で完投。打っても7回2死一、二塁から逆転3ランを放つなど投打で活躍した。

 勝利を引き寄せたのは、山形城北エース鈴木の高校初本塁打だった。0-1で迎えた7回裏2死一、二塁、8番打者として左打席に立つと、「絶対勝てると信じて」初球を振り抜いた。右翼席へ飛び込む逆転の3ラン。雄たけびを上げながらダイヤモンドを一周した鈴木は「あれでムードも流れも来た。よかったです」と笑顔を見せた。

 投打にわたる活躍で、リベンジを果たした。夏の県大会、酒田南との準々決勝。先発し、4回まで1失点に抑えるも5回につかまり降板、1-9で7回コールド負けした。「自分の失投もあって…悔しかった」。背番号が「18」から「1」に変わったこの秋、すぐに雪辱の舞台はやってきた。この日、序盤こそ高めに球が浮き初回に1失点も、その後はスライダー、フォークなど4種類の変化球を駆使し、打たれた4安打はすべて単打。夏準V校を102球で料理した。

 新チーム発足後、公式戦無敗の快進撃だ。地区大会で日大山形、東海大山形などの甲子園経験校を次々撃破し、5連勝で県大会に進出した。鈴木はこの日を含む全6試合中5試合で完投勝利。増井文夫監督(48)も「1年生らしからぬ落ち着いた投球ができる。今日も最後までよく粘って投げてくれた」と評価した。

 今日23日は4強入りをかけて新庄東と戦う。鈴木は「目標はまず東北大会。そしてセンバツ。油断せず、気を引き締めて1つずつ勝ち上がりたい。自信はあります」。山形城北の柱として、チームを甲子園までけん引する。【成田光季】

 ◆鈴木琢磨(すずき・たくま)1999年(平11)1月12日、山形県生まれ。小学校から野球を始め、陵東中では軟式野球部に所属し投手。山形城北高では1年春からベンチ入り、同県大会初戦で初先発。今秋からエースナンバー。最速132キロ。179センチ、76キロ。左投げ左打ち。