<高校野球秋季宮城大会:登米1-0石巻工>◇1日◇1回戦◇石巻市民

 登米の右腕エース白岩聖隆(きよたか、2年)が、大会一番乗りの完封勝利を挙げた。スライダーを武器に石巻工打線を5安打に封じ、初回の1点を守り切って初戦を突破した。

 184センチの白岩が思わずほえた。「ヨッシャーッ!」。最後の打者を遊直に打ち取った。登米にとって15年ぶりの秋の県大会で、公式戦初の9回完封を「スミ1」で達成。「テンポよく投げられました」と声を弾ませた。この日は完封ゲームが計4試合あったが、石巻市民球場の第1試合で大会一番乗りのおまけもついた。

 5番佐々木幹太(1年)のタイムリーで挙げた初回の1点を守り切った。バックが3失策しても落ち着いていた。4回の無死三塁、6回には1死一、二塁のピンチを断った。速球は130キロに届かないが「日によって縦に曲がったり、横に曲がる」という気まぐれなスライダーがさえた。「今日は横に曲がりました」。石巻工打線は引っ掛けた打球が多く、27アウトのうち内野ゴロが14を数えた。

 登米市立東和中では控え投手。登米入学後は上級生投手もいたために1度一塁に回ったが、千葉厚監督(36)が「長身でリーチが長く、ボールが伸びてくる」と1年夏から再び投手にした。長いリーチを生かしてテークバックを大きく取り、腕を思い切り振るフォームを固めてきた。東部地区予選では今春センバツに出場した東陵に敗れはしたが、3失点完投。「自信になりました」とエースは県大会へ手応えを感じていた。

 「カーブのコントロールは悪いので」と球種は直球と気まぐれスライダーだけだが、千葉監督は「背番号1の責任感がある」と信頼を置く。冬場から率先して毎日5キロを走り込むなど、チームの模範にもなっている。「1戦1戦がむしゃらにやるだけ」。白岩はおごることなく、今日2日は古川工に立ち向かう。【久野朗】

 ◆白岩聖隆(しらいわ・きよたか)1997年(平9)6月24日、横浜市生まれ。生後間もなく宮城県東和町(現登米市)に移る。錦織小4年で野球を始め三塁手。6年で投手に。東和中から登米に進学し、ベンチ入りした1年夏に公式戦初登板。今夏は背番号11で富谷との初戦(2回戦)で救援。184センチ、70キロ。右投げ右打ち。家族は両親、祖父母と姉、弟。