<高校野球秋季東北大会:能代松陽5-1光南>◇24日◇2回戦◇宮城・仙台市民球場

 能代松陽(秋田2位)は光南(福島3位)を破り、能代商時代の82年以来32年ぶりの勝利を手にした。

 能代松陽の左腕エース野呂田遼太郎(2年)が最少失点で完投した。「テンポ良く投げることができた。狙ったところに球がいった」と、縦のスライダーを武器に10三振を奪った。チームは3年ぶり6度目の出場で、新校名になって初の東北大会。初戦を突破して8強入りに貢献した。

 秋の県大会終了後はブルペンに打者を立たせ、甘くなりがちな制球を修正してきた。7回にソロ本塁打を浴び「失投ですね」と反省したが、連打を許さず被安打4。四球も1つにとどめた。捕手の原田晃平(2年)も「ミットを構えたところにボールがきていた」と安定感を認めた。

 13年4月に能代商が能代北と統合して、能代松陽に生まれ変わった。秋の東北大会勝利は能代商が初出場した82年以来32年ぶり。工藤明監督(38)は「そんなになりますか」と驚いたが「1勝をするのを目標にはしていない」と言った。夏の秋田大会は決勝で角館に敗れ涙をのんだ。野呂田は「甲子園に行くのが目標」と目を見開いた。【久野朗】