東海大相模・一二三初戦で散る/センバツ
<センバツ高校野球:自由ケ丘4-2東海大相模>◇27日◇1回戦
大会屈指の好投手、東海大相模(神奈川)のドラフト1位候補右腕、一二三(ひふみ)慎太投手(3年)の春があっけなく終わった。制球が乱れ、8回6安打4四球4失点。同点の8回2死満塁から3点適時三塁打を浴びて敗れた。
外角のボールゾーンを狙った一二三の直球が、シュート回転して中に入った。1-1で迎えた8回2死満塁。「高めに浮いた。投げた瞬間打たれると思った」と言う失投で右中間を割られた。捕手大城からのサインは外角低めへのボール球。スピードガンの不調もあって、球場表示は93キロだった。ホームベース後方に立ち尽くすと、3人の走者が目の前を次々と駆け抜けた。
3回2死からはこの日最速の高め146キロで空振り三振を奪った。球威が勝ったが「狙ったところじゃない」と反省ばかりを並べた。立ち上がりから変化球主体。抜け球、逆球が多く、制球は乱れた。
大会NO・1投手として臨んだ。出発前には大先輩の巨人原監督からメッセージが届いた。門馬監督を通して「しっかりと準備して、甲子園では思い切りプレーするように」と伝えられた。期待を一身に受けたが、大会前から「不安」と繰り返した。14日以降の練習試合4試合は3回5失点、9回6失点、6回1失点も11四死球、3回1失点。不安を打ち消すように、毎日投げ込んだ。開会式前日の20日、99球を投げたところで「投げ過ぎ」とトレーナーストップが掛かった。
「リリースでたたけない」(一二三)と崩れたフォームバランスを表現する。大会直前には大阪・堺市の実家へ、1日帰省が許された。離れて暮らす母のそぼろ丼で英気を養ったが、勝利は届けられなかった。
初めて地元甲子園のマウンドに上がると「体が言うことをきかない。足に力が入らない初めての緊張感だった」と重圧を感じた。わずか1時間45分。涙を流す間もなく、一二三の春が終わった。【前田祐輔】
[2010年3月28日9時23分 紙面から]
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