聖光学院胸張る大敗/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:横浜15-1聖光学院>◇16日◇準々決勝
東北勢「最後のとりで」となった聖光学院(福島)は、1-15で横浜(南神奈川)に大敗した。先発のエース仲田浩人投手(3年)ら3投手が、2本塁打を含む18安打を浴びて炎上。県勢37年ぶりのベスト4進出はならなかった。しかし、最後まで全力プレーを貫いたナインは同校初の8強入りという新たな歴史の1ページに、胸を張った。
試合後、仲田は選手1人1人と抱き合った。涙で顔をくしゃくしゃにするナインもいたが、仲田は、こみ上げるものをグッとこらえた。5回に2ランを浴びるなど、5回8安打5失点で降板。先発の役割は果たせなかった。それでも、試合後のインタビューで開口一番、目を見開いて言い切った。「悔いのないように、全力で投げることができました。今までやってきたことを全部、出しました」。堂々と胸を張れるマウンドだった。
「東の横綱」相手に意地は見せた。今大会初登板の仲田は「相手ベンチの(小倉)部長が首を振ってサインを出すのが見えた」と、3回1死一塁、4回2死一塁、5回1死二塁と3度もけん制で走者を刺した。6回終了時から42分間、試合は降雨により中断したが、既に降板していた仲田が中心となり、残り3イニングで10点差を追いつく作戦を話し合った。得点はならなかったが打線は8、9回と2度の好機をつくり、強豪相手に粘りを見せた。
仲田は昨年12月4日、キャッチボール相手だった祖父和郎さんを病気で亡くした(享年77)。「おじいちゃんのために命懸けで投げる」と帽子の裏に書き、最後の夏に臨んだ。痛恨のボークを犯した今春センバツの沖縄尚学戦とは違い、冷静さと鋭い観察力を発揮。エースとして、最後の最後までチームを鼓舞した。
県勢では準優勝した71年磐城以来のベスト4に届かなかった。しかし同校初、県勢33年ぶりの8強入りという新たな歴史は刻んだ。今大会で2勝を挙げた佐藤竜は「1、2年生はもっと頑張って、歴史を塗り替えてほしい」。6回途中から登板した横山貴明(2年)も「甲子園の土は持ってきてません。また帰ってきたい」と、先輩の意思を受け継いだ。
思い起こせば甲子園初出場時の01年夏。あの時も初戦で明豊に0-20で大敗した。さらに、昨夏3回戦の広陵(広島)戦、同秋国体の準々決勝の常葉学園菊川(静岡)戦と、全国の強豪校に敗れてきた経験がチームをここまで成長させてきた。ベスト8の勲章とホロ苦い大敗劇。斎藤智也監督(45)が「また大きな宿題が出されました」と話すように、聖光ナインが新たな歴史に向け再出発する。【由本裕貴】
[2008年8月17日12時18分 紙面から]
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