マーリンズのイチロー外野手(41)が、6月19日から3日間、オハイオ州シンシナティの「グレートアメリカンボールパーク」でのレッズ戦に出場し、メジャー15季目でプレーした球場が通算40カ所になりました。現在、各球団が本拠地とする30球場のほか、旧球場9カ所、2012年に日本開幕戦が行われた東京ドームが含まれるため、「40」に到達したわけです。

 イチローの場合、昨季までア・リーグひと筋でしたが、今季、マーリンズに移籍したことで、過去にプレー経験のなかったマーリンズパーク、AT&Tパーク、グレートアメリカンボールパークの3球場が加わりました。過去、数々の大記録を打ち立ててきたイチローは、今回の数字にまったくと言っていいほど興味を示しませんでしたが、実はそう簡単にできる「記録」ではありません。というのも、現役で40球場以上でプレー経験がある選手は、以下のように数えるほどしかいないのです。

 ◆44球場 ベルトレ(レンジャーズ)、ホーキンス(ロッキーズ)

 ◆43球場 コローン(メッツ)

 ◆41球場 A・ロドリゲス、ベルトラン(ともにヤンキース)、ピアジンスキー(ブレーブス)

 ◆40球場 オルティス(レッドソックス)

 いずれもメジャーを代表するベテランばかりですが、どの選手も大きな故障がなく、常に第一線で活躍している共通点があります。そうでなければ、これほど多くの球場でプレーすることはできないというわけです。

 その一方で、今後、これらの数字は頭打ちになると見られています。1990年代後半から2000年代まで続いた新球場の建設ラッシュが一段落したためで、将来的に新球場建設の可能性があるのは、すでに決定しているアトランタのほか、タンパ、オークランドぐらい。近年の若い選手が「40」をクリアするのは、まだまだ先のことになりそうです。

 ちなみに、まったくの余談ですが、身内の聞き込みによると、在米の日本人報道陣には、「46」の記録を持つベテラン記者もいます。

 現在、「42」で続いている立場ですが、どこまで伸ばせるか、老骨にむちを打ちたいと思います。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)