【テンピ(米アリゾナ州)23日(日本時間24日未明)=大塚仁】エンゼルス松井秀喜外野手(35)の新たな挑戦が始まった。新天地でキャンプイン。昨季は左ひざ手術の影響で、試合での守備機会は1度もなく、キャンプ初日に守備はく奪まで通告された。それから1年。守備練習にも徐々に取り組んでいく意向だ。

 松井が、新天地での第1歩を踏み出した。午前8時47分、クラブハウスに到着。地元紙の記者から「オハヨウゴザイマス」と問いかけられると、笑顔で応じた。すぐに赤のTシャツ、ハーフパンツに着替え、トレーナー室で体のケアを行った。9時30分から約45分間、選手ミーティングに参加。上半身は赤、下はグレーのユニホームでメーン球場に姿を現した。

 キャンプインを翌日に控えた前日、雨天のため本拠地ディアブロ・スタジアムの室内で調整した。さらにソーシア監督とも会談し、練習メニューなどを確認した。すべての準備を終え、球場を後にする前には「守備練習も少しずつできるでしょう。久しぶりですから楽しみですよ。高ぶり?

 それはない。18回目だから」とリラックスしていた。外野手として迎えるキャンプが待ち遠しかった。

 万全でない左ひざを考慮し、練習は一部で別メニューが導入される。「一緒にやることと、やらないことがある」と説明。その「一緒にやること」の中には、守備練習も入っている。本人はもちろん、ソーシア監督が「彼が守れれば打線に厚みが増す。チームが柔軟になれる」と期待する外野手復帰プランがいよいよ動きだす。

 左ひざの手術明け直後だった昨年とは、状況ががらりと変わった。当時は初日の練習後に監督室に呼ばれ、ジラルディ監督に「開幕戦まで外野は守らなくていい」とキャンプ中の守備練習の禁止を言い渡された。打席では結果を残したが、DH専任のため欠場や代打が避けられず、先発出場は113試合にとどまった。「毎日試合に出る、そのために外野に復帰する」。その思いを現実とするためにチームを移り、そしてスタートラインに立った。

 見通しは明るいばかりではない。左ひざも含めた自身の状態には「大体は大丈夫でしょう、多分」とトーンは決して高くない。しかし外野復帰は自らの力で勝ち取らなければならない。挑戦の日々を乗り越えた後に、完全復活が待っている。