初の開幕投手を務める日本ハム大谷翔平投手(20)が17日、発熱でダウンした。DHで出場が見込まれていた広島とのオープン戦(札幌ドーム)を欠場。札幌市内の病院で検査を受け、風邪と診断された。今日18日に症状が回復すれば投球練習を再開。問題がなければ20日の巨人戦(東京ドーム)で開幕前最後の登板に臨む見込み。発熱が続けば27日の本拠地での開幕戦(対楽天)は、ぶっつけ本番となる可能性も出てきた。

 大谷が札幌ドームに現れなかった。DHで出場の可能性があった広島とのオープン戦。今季の開幕投手は発熱のため、札幌市内の寮で静養していた。この日の午前中、同市内の病院で検査を受けた。念のため、インフルエンザ検査も行われたが陰性。風邪と診断された。石黒チーフトレーナーは「球場に来させていないです。普通の風邪の症状です」と、大事には至っていないことを説明した。

 休日だった前日16日から体調に異変が起きていた。大谷は「EZOlution選手トークライブ」と銘打たれたイベントに出席した。開演前には37度程度の微熱が判明したが「行きます」と、志願して参加したという。イベント終了後は、タクシーが2台用意された。一緒に出演した上沢への感染を避けるため、隔離する形で寮へ帰宅していた。

 今回の発熱が開幕投手を務めることに影響はしないが、調整プランに狂いが生じる可能性はある。今日18日に体調が戻れば投球練習を再開する見込み。問題がなければ予定通り開幕前最後の実戦登板となる20日巨人戦のマウンドへ向かう。発熱が続けば実戦登板を回避することが濃厚。24日から3日間、札幌ドームでの全体練習があり、シート打撃に登板することも可能。ぶっつけで開幕戦へ向かうなど有事の際には手段を講じることになりそうだ。

 一時は38度程度まで上がった熱も、下がってきているという。栗山監督は慎重に経過を見ていくつもりだ。「20日(巨人戦)に投げられなかったら(調整プランを)考えます」と、回復が遅れれば対応を練っていくことになりそうだ。オープン戦では直近の2試合連続で打ち込まれ、開幕10日前には風邪でダウン。初の大役を前に、試練が続いている。

<大谷アクシデント>

 ◆右足首捻挫 ルーキーイヤーの13年4月13日オリックス戦(ほっともっと神戸)の右翼守備で、ファウルを追った際、フェンスに激突。天然芝と土との境目で右足首を痛めた。神戸市内の病院で精密検査を受け「軽度の内反捻挫」と診断された。翌14日に出場選手登録を抹消された。

 ◆ほお骨折 13年、プロ初本塁打から一夜明けた7月11日、楽天戦(Kスタ宮城)の試合前練習中に、フリー打撃の打球が右側頭部付近に直撃。仙台市内の病院で精密検査を受け「右頬骨(きょうこつ)不全骨折」と診断された。3日後、ロッテ戦で本拠地初本塁打となる代打アーチ。

 ◆緊急降板 14年のシーズン初登板だった4月3日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で、3回に右ふくらはぎがつった。治療を受けながら3回は投げきったが、体調不良も重なり61球で降板。

 ◆流血 今年のキャンプ中の投球練習時や、今月3日巨人戦でもあったが、右手親指で薬指を引っかいて出血。リリースの瞬間の握力が強いため、いい球を投げている時ほど、自身の爪で傷つけてしまうという。