「新成」巨人の開幕オーダーが固まった。チームは25日、東京ドームで練習。明日27日の開幕戦に向けた用兵を大枠で固めた。1番坂本、3番長野、4番阿部、5番村田。新境地でシーズンに臨む実力者たちを、打線の要所に配す。純和製の重厚なオーダーで、昨季1勝3敗と苦しんだDeNA先発の久保を迎え撃つ。

 断固たる決意で「新成」への準備を進めた男たちに、若武者が食い込む余地はなかった。新主将の坂本、手術明けの長野。一塁転向の阿部。2軍からはい上がった村田。それぞれが、自分の持ち場で本拠地を動き回った。1番坂本。3番長野。4番阿部。5番村田。ひと皮むけた面々にとって、もちろんチームにとっても、最高に据わりのいい持ち場で船出する。

 太い幹にふさわしい枝葉が彩る。高橋由は最後までグラウンドに残り走塁まで練習し、万全を表現した。原辰徳監督(56)はかねて、状態が良ければ、の条件付きで兼任コーチ1年生の開幕起用を示唆していた。攻守の総合力を加味しても、セペダとの競争を制し、左翼スタメンを確保したとみられる。井端も状態がいい上、DeNAの刺客・久保にめっぽう相性がいい。同じく好相性の亀井とともに、初戦に名を連ねる可能性が高い。菅野-小林の若きバッテリーにとって、この上なく頼もしい布陣になる。

 ボスは、必勝だるまに力強く目入れをしてから練習に入った。「支配下選手で、チーム力としてシーズンを戦う。開幕は、このメンバーでスタートする」と、発表された公示27選手に自信を深めた。同時に「新戦力のデータがそろってくるのは6、7月になるから」と、目線をやや先に置いた。チームを解体するべく「新成」を掲げ、吟味し、固めた。腹を据えて1、3、4、5番に「銘柄」を配した以上、よほどの事態が起こらない限り、打線のコアは動かさないとみられる。

 まずは久保を制す。内角攻めと高速クイック。昨年食らった5個の死球と3敗の痛みを、常勝軍団が忘れるはずもない。「死球にひるんでいたら、どうしようもない。対応しないと」と川相ヘッド。クイックで投じる打撃投手を打った。村田も「特徴あるクイックだけど、開幕で気持ちが入っている。自分らしくやる」とギラついた。新たな覚悟で臨む面々で、新たに大願を成就する。【宮下敬至】