広島クリス・ジョンソン投手(30)が5回無失点ながら6四球と制球を乱した。好調時には見せないしぐさもたくさん見せた。わずか5回で降板し、チームも敗れて最下位脱出に失敗。試合後に並べたのは反省の言葉だけだった。とはいえ、マツダスタジアムでの無失点記録を22イニングに伸ばしたのも事実。左腕が安定した投球を取り戻し、上昇気流のきっかけを再びつくってくれるはずだ。

 ジョンソンは両手を大きく広げ、首をかしげた。3回2死から上本、西岡に連続四球を与えた場面だ。さらに続く鳥谷にも四球を与えると、今度は膝に手をついた。マウンド上で不敵な笑みを浮かべることもあった。制球が定まらず、球審との呼吸も合わなかった。5回2安打無失点ながら6四球を与えた。

 「ストライクを投げることが出来なかった。マウンド上で修正することも出来なかった。結果として、とても悔しい」

 来日初登板初完封を挙げた3月28日ヤクルト戦(マツダスタジアム)では、わずか105球で終わらせていた。本来はアグレッシブに投げ込み、ストライクゾーンで勝負するスタイル。だが、この日に限ってはそうはいかなかった。5回までで115球を投じた。

 阪神先発能見はテンポがよく、フラフラのジョンソンでは流れを呼び込むことは出来なかった。緒方監督も「球数もいっていたし、代えないと仕方なかった」と5回での降板を決断。最下位脱出を託された助っ人左腕だったが、クールなイメージとはかけ離れていた。小さな声で反省ばかりを並べた。

 「5回で100球を超えては厳しい。モーションの細かいタイミングが合わなかった。次の登板までに修正しないといけない」。それでも、無失点。これでマツダスタジアムでの連続無失点を22イニングに伸ばした。野手に助けられる場面もあったが、粘りを前向きにとらえて切り替える。ゼロ行進を続けるだけだ。

 チームがこれまで喫した13敗はすべて3点差以内だった。初のワンサイドゲームでの敗戦も、逆に切り替えのチャンスにするしかない。今日27日の休日を挟んで、敵地で3連敗を喫したDeNAを迎え撃つ。【池本泰尚】