中日はDeNAとの接戦をまた落とし、約1カ月ぶりに勝率5割を切った。ナゴヤドームでは6カード目で初めて負け越した。

 DeNA選手が喜々として駆け回るさまに既視感を覚えた人も多いはず。2-2の8回。上位打線にぶつけた好調の又吉克樹投手(24)がつかまった。先頭石川の打ち取った打球は右前にポトリ。前日の「福谷の悪夢」は9回2死、筒香のボテボテの内野安打からだった。又吉の投げる球も負のブラックホールに吸い込まれるように甘く入った。梶谷、筒香に連続の適時長打を浴びた。

 9試合ぶり失点の又吉は「粘れないから点を取られる。何度も同じことを繰り返している」と厳しい顔。3連戦で3連投。疲れもあるはずだ。谷繁元信兼任監督(44)は「ちょっと高い分、ヒットコースに飛んだのもある」とわずかな制球の狂いを指摘した。

 先発武藤が初回に2失点しながら、福田、平田の1発で同点。勇気づけられるように武藤は粘り、7回無死満塁で救援した田島が0点に抑えた。最高のムードで終盤に入ったが、流れを手放した。この3カードは2勝7敗。阪神に喫した開幕3連敗に次ぐ、久しぶりの苦境に陥っている。

 「長いシーズン、チームとして苦しいときはある。何とか粘りながらしのいでいかないと」と指揮官。今日4日からは今季初の甲子園。ゴールデンな戦いで9連戦を締めくくりたい。【柏原誠】