屈辱の同一カード3連敗だ。巨人は新外国人ホアン・フランシスコ内野手(27=前レイズ)の守備の乱れもあって序盤に主導権を握られ、押し切られた。初戦はインフィールドフライの宣告が伝わらずにサヨナラ負けし、前日5日は球団史上初となる初回10失点。悪い流れは先発菅野智之投手(25)でも断ち切れず、マツダスタジアムで2年ぶりの3タテを食らった。試合後、フランシスコの2軍降格が決まった。

 弁解の余地がないプレーだった。初回無死二塁。フランシスコは、一塁側に転がった犠打に反応できなかった。菅野が慌てて拾ったが内野安打になり、2失点の呼び水になった。3回無死二塁では、前進守備の位置から一塁ベースに後ろ走りをしながら、投ゴロの送球を捕球しようとした。だが体がふらつき、落球。試合を決定づける2失点につながった。試合後、原辰徳監督(56)は「あれだけ守備も足を引っ張ると…。守備はプロとしては非常に恥ずかしいですね」と表情を曇らせた。

 長打力を見込まれて加入したが、ここまで5試合で18打数3安打で11三振。この日は2三振で、途中交代を命じられた。4日の初戦ではインフィールドフライの宣告が聞こえずに打球処理を誤ってサヨナラ負け。前日5日は1回1死一、二塁で、新井の一邪飛を捕球し損なった後に先制打を打たれ、球団史上初の初回10失点に絡んでしまった。打てない、守れない-。球場を引き揚げる際、広島の巨人ファンの強烈な罵声を浴びながら、無言でタクシーに乗り込んだ。

 8日からのDeNAとの首位攻防3連戦を前に、原監督は迅速に重い決断を下した。試合後に移動した広島空港で、フランシスコを2軍調整中の亀井と入れ替えると明かした。「少し勉強する必要があるな。うちのチームは、やっぱり守りのチームだもん。最低限の守りは必要だよ。コンディションも、まだ早いんだろうな」。出場はまだ5試合だが、本来の動きにはまだ遠いと判断。先を見据え、今は2軍でしっかり再調整させる方針に切り替えた。

 「3連戦通じて消化不良的なゲームでしたね。なかなか我々の野球ができなかったのがこういう結果になった。切り替えていくというところですね」。まだ浮足立つ時期ではない。まずは陣容を整えるために、手を打った。首位決戦で、仕切り直す。【浜本卓也】

◆【巨人】フランシスコの全打席 

▼2日【阪神】<1>三振<2>三振<3>一安

▼3日【阪神】<1>三振<2>三振<3>右安<4>中飛<5>一邪

▼4日【広島】<1>三振<2>三振<3>三飛<4>三振

▼5日【広島】<1>三振<2>三振<3>左安<4>中飛

▼6日【広島】<1>三振<2>三振(5回交代)

 18打数3安打11三振 打率1割6分7厘