もったいない! 無敗の日本ハム大谷から一挙に5点を奪い、2点リード。必勝態勢のソフトバンクが、まさかの再逆転サヨナラ負けを喫した。8回にバリオスが中田に同点2ランを浴び、連続試合ホールドが17でストップ。9回には、4番手森福が1死一塁から西川にサヨナラ二塁打を浴びた。2日にして首位から転落。守りきるのは難しい。

 思いも寄らぬ展開の連続だった。結末はまさかのサヨナラ負け。工藤ホークスが再び首位から陥落した。「今日は負けたが、僕らにとって、勉強になった試合だ。次はそうならないようにしたい」。劇的勝利で盛り上がるスタジアムを背に、指揮官は自戒するかのように言った。

 鉄壁のリリーフ陣が崩れた。2点リードの8回。バリオスの登場で、3連勝が近づいたかに見えた。無死一塁で、日本ハムの4番中田。145キロシュートで内角を攻めた。失投ではない。コースに決まったが、左翼席に運ばれた。痛恨の同点2ラン。「中田はいいバッターだ。こういうことも起こる。うまく当てられた」。05年藤川(阪神)が記録した17試合連続ホールドに並び、新記録達成は目前だった。ついにストップ。記録の話題には「NO!」と吐き捨てるように言った。ただ勝てなかったことが悔しかった。

 最終回は森福が5戦ぶりの失点で試合終了。リードしながら、7回以降に逆転されたのは今季初めてだった。

 それでも6戦6勝の大谷から7回に5点を奪い、攻略に成功。前回対戦の4月12日には7回を2安打無失点に抑えられていただけに、意地を見せた。工藤公康監督(52)は言った。「ゼロでいっても安心できない、と思わせた。打線はよく打った」。右腕は今後も最大の敵として再戦するのは確実。指揮官がこだわる「嫌なイメージ」を植えつけられた。得たものと失ったものがあった。明日につなげられるか。学びの姿勢が今のホークスにはある。【田口真一郎】