DeNA山崎康晃投手(22)が、壁を乗り越えた。9回を無失点に抑え、リーグトップの18セーブ。5月は10セーブ目で、新人の月間セーブ記録を更新した。「不安の中で1球目を投げましたが、結果につながってよかったです」と、安堵(あんど)の表情を見せた。

 強い決意で臨んだマウンドだった。24日阪神戦(横浜)の9回。上本への初球が頭部を直撃し、危険球退場となった。「上本さんにも申し訳なかったですし、自分自身、抑えとして情けなくて悔しかった」。寝ても覚めても脳裏によぎる1球。試合直後に出来なかった上本への謝罪は、三浦の携帯電話を介して直接伝えることができた。「『こっちこそ、ごめんな』と言っていただいて。お互い次は晴れた気持ちで対戦出来るように、頑張らないといけないと思った」と、気遣いに感謝した。

 三浦からの助言も心に刻んでいた。「もちろん反省しないといけない。でも、これからもこの世界で戦っていくには、お前自身で乗り越えていかないといけない」。そんなベテラン右腕の言葉に、結果で応えた山崎康。「あの死球は忘れてはいけない1球。自分が投げる1球が、チームの勝ちにつながる責任を背負っている。強い信念も持って投げ続けたい」。小さな守護神が、また1つ階段を上った。【佐竹実】

 ▼山崎康は5月10セーブ目。並んでいた90年6月の与田(中日)を抜き、新人の月間セーブ記録を更新した。月間最多は97年8月佐々木(横浜)の14セーブ。