阪神が第6の外国人選手としてBCリーグ石川のネルソン・ペレス外野手(27)の獲得に向かっていることが13日、分かった。ペレスはBCリーグ5月の月間MVPに輝き、現在は本塁打と打点でリーグ2冠に立つドミニカ人スラッガー。球団は水面下で調査した上で交渉を進めてきた。近日中に正式契約の見込み。打率、本塁打、得点など打撃部門でリーグ最低に沈む攻撃陣の起爆剤としてBCリーグの大砲を獲得する。

 この日、パ・リーグ最下位のオリックス相手に大惨敗を喫した猛虎に起爆剤がやってくる。BCリーグ・石川の主砲ペレスだ。ドミニカ共和国出身で左打ちの外野手。長打力と確実性を備えた強打者で、この日も富山戦でリーグトップの7号アーチを放ち、打点もリーグタイの24に増やして2冠に君臨。打率も3割1分7厘という好成績を残している。5月の月間MVPにも選ばれており、その際には「NPBに行くため、石川ミリオンスターズの勝利のためにベストを尽くす」とコメントしていた。

 阪神は開幕から昨季首位打者のマートンらの不振が響いて、勝率5割前後から抜け出せない状態が続いている。特に深刻なのが打撃陣で、打率2割2分8厘、28本塁打、182得点といずれもリーグ最下位に低迷している。球団は5月下旬から6人目の助っ人に関する調査を開始し、昨年広島でプレーしたキラら日本球界経験者を中心にリストアップしていた。その中で白羽の矢が立ったのが、BCリーグで突出した活躍をしているペレスだった。

 現在、外国人選手の中では不振が続いているマートンがスタメンを外れているが、球団首脳によれば、ペレス獲得はマートンの代役という位置づけではなく、あくまで将来戦力という意味合いが強いという。ただゴメス、マートンという主力助っ人に万が一の事態が起こった場合や、本人の活躍次第では1軍のラインアップに入る可能性もありそうだ。

 また、マートンの代役が務まるような大物という条件で“第7の助っ人”の調査も行っているという。金銭面で本社サイドの了承も取りつけており、打撃陣の復調へ向けて、7月の補強期間終了まで、さらなる補強プランを練っている。

 ペレスとは近日中に合意する見込みで、早ければ交流戦終了後にも正式契約となる運び。セ・リーグのペナントレース再開前に魅力たっぷりの新戦力が加わることになりそうだ。

 ◆ネルソン・ペレス 1987年11月16日、ドミニカ共和国生まれ。07年から米大リーグ、カブス傘下のマイナーなどでプレー。メキシカン・リーグ(3Aに該当)では13、14年に在籍し18本塁打。マイナー通算8シーズンで82本塁打。今季BCリーグ・石川入り。28試合に出場し104打数33安打、打率3割1分7厘(リーグ9位)。7本塁打、24打点。191センチ、98キロ。右投げ左打ち。

 ◆国内独立リーグ出身の助っ人 BC新潟のミッチ・デニング外野手が5月にヤクルトに入団。ここまで16試合に出場し2本塁打、10打点をマークする。BC群馬のフランシスコ・カラバイヨが2月のテストを経て、11年まで所属したオリックスに復帰入団。故障者が多い中で4番を務めるなど11本塁打、32打点、打率2割7分はいずれもチームトップ。ソフトバンクのセットアッパーで20ホールドを挙げるエディソン・バリオスは関西独立リーグ神戸に所属していた11年7月に入団。阪神では、10年にBC群馬でプレーしたロバート・ザラテが育成契約で入団。12年7月に支配下登録され通算4試合に登板した。