苦手払拭(ふっしょく)の5割復帰だ。ロッテが今季6連敗中だった天敵・楽天を投打に圧倒し、3連勝で借金を完済した。1回にアルフレド・デスパイネ外野手(29)の11号3ランで先制し、6回までに8点差をつけた。守っては石川歩投手(27)が今季2度目の完封で、チームトップタイの7勝目を挙げた。

 “お得意様”の則本に、デスパイネは容赦しなかった。1回1死一、二塁。四球の後の甘く入った初球を逃さない。振り抜いた外角高めスライダーは左翼席中段へ。「野球は投手と打者の戦争みたいなものだから。失投が来たら逃さないよ」。デスパイネが本塁打した試合は、昨年9月23日の日本ハム戦から負けなしの12連勝。不敗神話を継続した。

 今季楽天戦は相性が悪く、2勝8敗で6連敗中だった。過去2勝の相手投手も則本。伊東監督が「徐々に調子を上げてくる投手。立ち上がりを打てて良かった」と言った通り、序盤に攻め立てた。対戦打率4割2分9厘と得意にしていた清田も、2回2死三塁から外角低めへのチェンジアップを左前に運んで4点目を追加。清田はこの日、デスパイネと並ぶ3打点をたたき出した。

 援護に先発石川も応えた。4月28日西武戦に続く今季2度目の完封勝利。連打で無死一、二塁とした4回の3者連続など、自己最多の11三振を積み重ねた。自身も3連勝とし、「疲れましたけどね。走者を出した方がバランス良く投げられた」と、7安打されながらスコアボードに9個のゼロを並べた。

 チームは3連勝で、勝率を5割に戻した。調子を上げてきた主砲デスパイネは、キューバ代表としてパンアメリカン大会に出場するため9日に日本を離れる。「いい状態で戻ってきて、あと20本くらいホームランを打ちたい。その間、チームのみんなにも頑張ってほしい」。後半戦に勝負をするために、連勝をここで止めるわけにはいかない。【鎌田良美】