中日が6連敗で今季ワーストの借金10となった。ヒットは今季3度目のフル出場となった谷繁元信兼任監督(44)の2安打だけ。2試合連続の完封負けを喫した貧打線に、長嶋清幸チーフ打撃外野守備走塁コーチ(53)は「負けが込むと頭にウイルスが入っちゃう」と力んだ状態を独特の表現で嘆いた。

 じめっと蒸した沖縄の夜。首脳陣の額を伝った汗は、思うように試合が運ばないいら立ちの汗だった。DeNA久保を攻略できそうで、攻略できない。最後までゼロが並び、2試合連続で今季7度目となる完封負け。競り合いに強いはずの竜が、競った試合に勝てない。

 帰りのバスへと続く列で足を止めたのは、打撃を担当する長嶋コーチだった。自ら切り出し「責任を問われれば野手の責任」ときっぱり。「負けが込んでくると、頭の中にウイルスが入っちゃう。みんなまじめすぎるんだよ。思った以上に力みが入って感覚がずれてしまう」と、負の連鎖が断ち切れていないと現状を嘆いた。

 どうしても打線がつながらない。1回、4回、5回と得点圏に走者を進めたが、あと1本が出ない。久保の高速クイックは何度も経験しているはずなのに、タイミングが合わない。走者を置いた場面で2度凡退した1番大島は「(感覚が)ズレってしまっている」と反省した。

 谷繁政権ワーストタイとなる6連敗で、最下位から抜け出せない。この貧打線が解消されない限り、だんご状態のセ・リーグで置いてきぼりを食らう。チームの全2安打を1人で放った谷繁兼任監督は「誰がどうじゃなく1人、1人が強い気持ちを持ってやるしかない」と奮起をうながした。前日の沖縄練習では青空ミーティングを開き、チーム全体に活を入れたばかり。ここで止めないと、あっという間に転がってしまう。【桝井聡】