キヨシの大作戦・第2弾も大的中だ!! DeNA中畑清監督(61)が連夜の積極的大胆策を披露した。先勝した3連戦初戦から、またしても4人のオーダーを組み替え、連勝で勝ち越しを決めた。5回には筒香嘉智外野手(23)ホセ・ロペス内野手(31)梶谷隆幸外野手(26)の1イニング3本塁打を含む、一挙7得点で圧倒。代打策も決まり、9年ぶりの巨人戦5連勝で首位と肉薄0・5ゲーム差に接近した。今日15日に同一カード3連勝で5割復帰となれば、日本一になった98年以来17年ぶりの前半戦首位ターンの可能性も出てきた。

 魔法のタクトを振り回した。連夜の大胆策を展開した中畑監督が、大歓声に沸く横浜の夜を支配した。首位巨人を相手に2戦連続の16安打で2ケタ10得点を量産。鮮やかな連勝に「久しぶりに気持ちがいいゲームをつくってくれた。追いつけたことも大きいし、すぐに勝ち越して突き放せたこともすごい」。3点差からの逆転劇に顔を紅潮させた。

 先勝の流れを止めまいと、積極的に動いた。前夜1本塁打を含む4安打の松本をスタメンから外すなど、4人のオーダー変更で苦手としている巨人杉内に挑んだ。「ゲームは生き物だから」と予知できないことを認識した中で、神懸かり的な千里眼がさえわたった。3点を追う4回2死一、二塁で、6月12日以来のスタメンマスクを託した嶺井が2点適時三塁打で追い上げムードを演出。なお2死三塁から、プロ初先発の石田の代打柳田が同点適時二塁打で試合を振り出しに戻した。

 さらに直後の5回だ。4番筒香の2ランで勝ち越しに成功し、杉内を引きずり降ろすと、5番ロペスも2者連続アーチで続く。梶谷の2戦連続弾など打者12人の猛攻で一挙7得点で王者巨人を完全に突き放した。ベンチスタートさせた前夜のヒーロー松本も例外なく安打で好機を拡大させる仕事をきっちりと果たした。「昨日、今日と打線の動きがスムーズに結果を出してくれている。野球っていうのは、やっぱり点が入れば乗っていくよね」と指揮官の口から出てくる言葉もいつも以上にスムーズだった。

 七夕の夜に込めた願いもかなった。願い事は? の問いに間髪入れず「勢いだね。そのためのビッグイニングがほしい」と即答した。最大かつ最強の宿敵相手に今季最多の1イニング7得点。「ちょっとビッグイニングという言葉じゃすまされない。杉内という、こんなにいい投手からだからね。すごい集中力で全員野球の象徴的なイニングだった」と喜んだ。

 5月16日以来となる2カ月ぶりの3連勝で借金を1にまで減らした。夢にまで見た5割ターンへの望みをつなぎ「明日はすごい大きな壁だと思う。今のチーム状況の中で思い切って向かっていきたい」と締めた。開幕から球界を大いに盛り上げてきた「キヨシ軍団」の前半戦ラストマッチ。勢いそのままに猛突進で白星を奪いに行く。【為田聡史】

 ▼DeNAが5回に筒香、ロペス、梶谷が本塁打を放って7点の猛攻。1イニング3本塁打以上は今季両リーグを通じて初めてで、DeNAでは05年9月23日ヤクルト戦の9回に4本塁打して以来、10年ぶり。巨人戦の1イニング3本塁打も05年5月3日の9回に種田、相川、小池が打って以来、チーム10年ぶりになる。DeNAは前日に続いて16安打。巨人戦で2試合の最多安打には98年7月14日14安打、15日20安打の合計34安打があるが、巨人相手に2試合連続16安打以上は初めてだ。今日の試合でDeNA○、阪神△か●ならば、DeNAは64、98年に次いで3度目の前半戦首位折り返しとなる。