あ~不快指数100%や!? 阪神が、DeNAに手痛い逆転負けを喫し、首位から3位に転落した。5月17日以来の先発だった岩崎優投手(24)が、2点リードの5回につかまり、一挙4失点でひっくり返された。連勝は3でストップ、勝率5割に逆戻りした。先発5番手の課題解消は混セを抜け出すカギ。夏休みの宿題は早めに終わらせないと…。

 4回までの力投がウソのように、あっけなく崩れ去った。2点リードの5回。先発岩崎がDeNA打線の猛攻で沈む…。二塁打で出塁した先頭バルディリスが直後の投ゴロで飛び出してアウトになる幸運も生かせない。黒羽根に右前へ運ばれて一、三塁。2死にこぎつけるのが精いっぱいだった。代打桑原の中前適時打は直球が、梶谷の中前適時打はスライダーが真ん中に集まったもの。詰めの甘さを露呈して4失点すると、タオルを投げ込まれた。

 2年目左腕にとって「魔の5回」だろう。今季6度目の先発だが、打者が球筋に慣れてくるイニングに打ち込まれる悪癖がまたも出た。「試合中盤にいつもやられていたので、気をつけていたんですけど…。ボール球にしないといけないところでストライクゾーンに集まってしまいました」と猛省するしかない。新人だった昨季は5勝を挙げたが今季は勝ち星なし。頭を抱えるのは、混セから抜け出せない和田監督だった。

 「あそこを乗り切らんとな…。うちのスタッフからいえば、5番手あたりに入ってこないといけない投手だから。(先発5、6番手が)なかなか固まらないというか、定まってこないなか(岩崎は)去年も何回か勝って、ある程度、ローテで回っている投手なので」

 勝負の8、9月を先読みすれば、先発陣の苦しい台所事情が浮き彫りになる。大混戦から突き抜けられない今季の戦いぶりを象徴する敗戦だった。8月上旬から9月まで5週連続で6連戦。これまで藤浪、メッセンジャー、岩田、能見の4本柱がフル稼働したがスタミナ勝負の夏を目前に控え、先発ローテーションの5人目がいないのが現状だ。

 先発候補の岩貞や横山、秋山も2軍でピリッとしない。中西投手コーチは「てんびんにかける状態じゃない。来週、もう1回いきます」と苦い表情だ。まずは8月2日ヤクルト戦(甲子園)で岩崎にチャンスを与える。この日敗れて、再び首位から3位に転落した。デッドヒートから脱落する「アキレスけん」にならないためにも、若虎の奮起が求められる。【酒井俊作】

 ▼阪神の先発投手陣は、4本柱(藤浪、岩田、メッセンジャー、能見)を除くとわずかに計4勝。岩本、岩貞、サンティアゴ、山本が各1勝したのみ。4本柱以外の1試合あたりの平均投球回は4・98イニングで、先発投手の責任を果たせていない。