重要な一戦は阪神藤浪晋太郎投手(21)に託された。今日20日の巨人戦に先発。相手もエース菅野が先発し、死に物狂いで白星を狙いに来る。激闘が予想されるが「プレッシャーは気にする必要はないですし、感じる必要がない。まだまだ8月なので。気負わずいつも通りのピッチングができれば」と周囲の過熱ぶりをサラリと制した。

 大舞台に強いのは、証明済みだ。大阪桐蔭時代は甲子園で春夏連覇を達成。東京ドームでの巨人戦は5連敗中だが、昨年10月15日のCSファイナルステージでは7回1失点で白星をもぎ取った。「狭い球場なので四球で走者をためての1発が危険。少々は出すけれどできるだけ少なくしたい」と、技術面での鬼門突破法を語った。

 厳しい流れの中、何より求めるのは勝利だ。宿敵巨人との第1ラウンド(18日)は先発メッセンジャーが、3回1/3で5失点KO。柱の右腕の今季最短降板で初戦を落とした。さらに、この日の第2ラウンドは、好投していた先発能見が一転。後続投手陣も打たれ、球団史上ワーストの1イニング12失点。吹き荒れる逆風を止める役割を担うことになった。「もちろん勝ちたいし、勝つためにマウンドに上がる。自分のできる最低限の仕事をしたら運も来ると思う」。藤浪が昨年に並ぶ11勝目を挙げたとき、猛虎に強烈な追い風が吹く。