戦友のために最後の打席を-。西武が「フォア・ザ・ひちょり」で一丸となり、5連勝でCS進出クリンチを3とした。2点リードと接戦だった8回。先頭秋山が二塁打で出塁すると、この試合限りで引退する7番森本稀哲外野手(34)までの道筋が見えた。同学年の渡辺が死球でつなぎ、中村が01年のカブレラと並び球団記録となる124打点目の犠飛。メヒアが全力疾走で併殺を逃れ、栗山がバットを短く持ち、執念で四球を選んだ。仲間がつないでくれたプロ人生最後の打席に森本は号泣した。

 最後は三ゴロだった。だが一体感は勝利に直結した。8回1失点の先発十亀は「ひちょりさんの引退試合を負けさすわけにはいかなかった」とお立ち台で涙ぐみ、渡辺は「最後、打席に立つ姿が見たかった。奇跡だと思う」と表現した。今日28日の本拠地最終戦は大エースだった西口の引退試合でもある。惜別の思いをCS進出への原動力に変える。【広重竜太郎】