今季限りで現役引退する50歳の中日山本昌投手が、明日7日広島戦(マツダスタジアム)での真剣勝負を望んだ。現役ラストの登板は広島、阪神のいずれかのクライマックスシリーズ進出が決まる運命の一戦となった。広島にとっては絶対に負けられない大事な試合。だが、山本昌はそんな状況を歓迎した。

 「もともと何か(セレモニーなどを)してもらおうと思っていない。向こうも真剣。自分も出来ることを精いっぱいやって最後にしたい」

 前人未到の50歳登板は、中継ぎで達成することになりそう。打者1人と対戦する見込みだ。最終戦は今季のローテを支えた大野か若松が先発予定。状況を見て投入される。プロ32年間、先発としてのこだわりを貫いてきた男も「プロ初登板も中継ぎだったんで、中継ぎで終わるのもいいかなと思います」と、デビュー戦を頭に浮かべて笑顔になった。

 負傷した左手人さし指は、まだ完治とは言い難い。ナゴヤドームの練習ではキャッチボールやダッシュメニューを消化したが、ブルペンに入らなかった。「ホームベースにしっかり届くようにしないとね」。全力の相手に、50歳の全力で応える。【桝井聡】

 ◆山本昌のプロ初登板 3年目、21歳だった1986年10月16日ヤクルト26回戦(神宮)に2番手で登板。6回1死満塁でマウンドに上がるも、広沢に本塁打を浴びるなど2/3回2失点だった。通算580試合に登板して中継ぎ登板は146試合。