ラミちゃんが心の野球で頂点を目指す。DeNAアレックス・ラミレス新監督(41)が21日、横浜市内のホテルで就任会見を行った。2年契約で年俸は7000万円。背番号80に決まった。球団OBの元主砲は日本語で「横浜DeNAベイスターズ監督のアレックス・ラミレス、ラミちゃんです」とあいさつ。念願のNPB監督に就任し、熱い思いを壇上で披露した。初仕事として今日22日のドラフト会議に出席する。

 現役時代、多彩なパフォーマンスでファンの心をわしづかみにしてきたラミレス新監督が、真剣なまなざしで若きDeNAの未来を見据えた。「素晴らしい横浜の街でチームを作っていける。優勝できるチームを目指して一生懸命やっていく」。言葉には自信と希望が満ちあふれた。だからこそ、主役は選手が担うべきだという意思も明確に示した。「現役時代は多くのファンを喜ばせてきた。監督になった今は筒香、梶谷ら選手にお願いしたい」と自身のパフォーマンス封印を示唆した。

 勝負に勝つための哲学がある。選手としてはリーグ優勝、日本一、2000本安打と数々の栄光を手にした。理想の監督像を問われると「選手たちと出来るだけ多くコミュニケーションをとっていきたい。野球は身体的な部分よりもメンタル、心が大事。そういう指導をしていきたい」と、“ラミちゃん野球”の神髄を強調。若いチームには精神力の向上が、目的達成への絶対条件だと強く訴えた。

 中畑前監督にも劣らない明るいキャラクターの全てを封印するわけではない。01年に来日してから、長い時間をかけて日本文化を熟知してきた。流ちょうな日本語も外国人監督の枠を超えた武器になる。細かな戦略は、通訳を介すことで細部まで正確に伝えていくが「フィールド上では日本語で話せる。私はみなさんが思っている以上に日本語を話せます」と直接対話も十分に可能。言葉の壁は皆無に等しい。中心選手として名前を挙げた筒香、梶谷ら選手たちに自分の言葉で、思いを直接伝えていく。

 球団が新監督の人選における必須事項としていたのは2つ。「4年間の中畑体制の継承」と「勝てる人材」。日本球界初となるラテン系指揮官が、横浜スタジアムに歓喜をもたらす。【為田聡史】(金額は推定)