ヤクルト山田哲人内野手(23)が日本シリーズ史上初、1試合3打席連続本塁打でチームを救った。

 初回、バックスクリーン左へ先制2ラン。同点とされた3回、再びバックスクリーン左へ勝ち越しソロ。そして1点ビハインドで迎えた5回、左翼席へ逆転2ラン。先制しても勝ち越しても、ジワジワと食い下がるソフトバンクの粘りに嫌なムードも漂ったが、山田のバットが、鷹の勢いを止めた。

 2試合にまたがっての3連発は過去に1970年の長嶋茂雄(巨人)しかいない。

 試合後お立ち台に立った山田は1、2本目を「思ったとおりにしっかり振れた」と張りのある声を響かせた。3本目は「狙ってなかったが、しっかり自分のバッティングをしようと思ったのが結果につながった」と内角直球をボディーターンで運んだ会心弾を振り返った。

 第1、2戦で7打数1安打と低迷。移動日の26日、空港でDeNAの中畑清前監督と遭遇した。「もっと、きっちり振り切らないと。何でも逆方向に合わせるんじゃない。合わそうとして、ポップフライで終わっているから怖さがないぞ」と直立不動で耳を傾けていた。中畑氏はこの日テレビ解説で球場入り。見守ってくれた“恩師”に結果で応えた。

 「ソフトバンクは強いですけど、何とか明日も勝てるように頑張ります」。今季セ・リーグ本塁打王が本領発揮。山田の本塁打ショーでチームは一気に息を吹き返した。