阪神金本知憲新監督(47)が今季14勝を挙げた藤浪晋太郎投手(21)に対して「スーパーエース」への期待を示した。29日に甲子園での秋季練習に合流した藤浪は、右肩炎症で「プレミア12」を辞退しており、軽めのキャッチボールなど体力づくり中心。指揮官は治療を優先させながらも、さらなる成長への期待を明かした。

 「キャンプも体力づくりに専念させる。筋力? 本当は俺はそれを求めてる。筋肉で体重を増やすというね。ダルビッシュや館山みたいにね。ごっつい体になって。スタミナも出るらしいから。ダルビッシュは先発の日でもベンチプレスをマックスでやるらしい」

 藤浪は入団から3年連続で2桁勝利を挙げ、体は毎年大きく、強くなってきた。今季も199イニングを投げてトップクラスのスタミナを証明した。ただ、それは十分に理解しながらも、金本監督はさらなる高みを期待した。

 「彼には別次元のものを求めたいから。野手で言えば3割30本ではなく、3割5分、50本ぐらいの打者になってほしい。昔では斎藤雅樹さんとかがそうだし。2年連続20勝とかね。ダルビッシュが他を圧倒してた球を投げていたし、最近ならマー君か。そこにいって欲しいというのは藤浪に対して、思うよね。あとはチームのために投げる、勝つためにという意識をね」

 ダルビッシュ、田中級になれるという期待がほとばしった。藤浪は練習後、指揮官が白紙とした開幕投手について「特別なこだわりを持っているわけではないですし、監督が決められることなので。去年の成績を見て監督がどう判断されるかということだと思います」と冷静に話した。金本監督が若き右腕に抱く期待は限りなく大きい。【鈴木忠平】