中日谷繁元信監督(44)がめずらしくカミナリだ。3日、ナゴヤ球場で行ったBCリーグ選抜との練習試合に先発した伊藤準規投手(24)を5回予定のところ自らの判断で3回1失点で降板させた。

 「何を課題に、何を目的に投げているのかほとんど伝わらない。あれ以上投げても一緒。なぜ直球を簡単にはじき返されるのか、変化球でどうストライクをとろうとしているのか。意識を高く持ってマウンドに上がってほしい」。口調は穏やかでもコメントは辛辣(しんらつ)だった。

 直球の質はチーム屈指の7年目右腕には高い期待を寄せている。今季1軍では2試合だけの登板。2軍でじっくり課題に取り組ませてきた。その成果が見られず厳しい指摘となった。

 「直球も変化球も思い通りに投げられず、修正できなかった。苦し紛れの直球は卒業しないといけない。意味を持った球を投げないと」。本人も格下相手にもかかわらず、悪いクセを改善できず62球を要したことに反省の言葉を並べた。

 谷繁監督が掲げた今秋のテーマは個々のレベルアップ。伊藤も入っている若手投手12人による岐阜キャンプも、それぞれ課題を持たせて体力、技術両面で鍛えている。ドラフトで投手を3人指名、さらにソフトバンクから大場を獲得するなど投手の競争は激しくなる。上積みのない選手は置いていかれる。指揮官のシビアな姿勢にチーム状況が表れていた。【柏原誠】